100歳を超える長寿者が珍しくなくなった現在でも、家族や親戚の集まりで耳にすると「それは誰のこと?」と会話が止まりがちな言葉が「玄孫」です。曾孫(ひ孫)の顔を見るだけでも非常におめでたい慶事とされますが、そのさらに一世代下となる存在の定義を正確に把握している人は多くありません。
漢字の読み方に迷うだけでなく、「法律上は何親等になるのか」「遺産相続の権利はあるのか」など、いざ家系図を整理したり終活を進めたりする段階で疑問に突き当たるケースが目立ちます。この記事では、玄孫の基礎知識から法律上の位置づけ、さらにその先の世代の呼び名までを分かりやすく解き明かします。
【基礎知識】玄孫とは誰のこと?正しい読み方と「曾孫」との決定的な違い

玄孫とは、自分から数えて「4世代下の子孫」、すなわち「ひ孫の子供」を指す言葉です。一般的な日常会話における玄孫の読み方としては「やしゃご」が広く親しまれていますが、公的な文書や法的な文脈、音読みでは「げんそん」と読まれます。どちらも正しい読み方であり、文脈によって使い分けられています。
「曾孫(ひ孫=ひまご/そうそん)」と「玄孫」の決定的な違いは、世代の隔たりです。自分を起点(第0世代)とした場合、関係性は次の順番で下へと連なります。
- 子(こ):1世代下
- 孫(まご):2世代下
- 曾孫(ひ孫/ひまご・そうそん):3世代下
- 玄孫(やしゃご・げんそん):4世代下(ひ孫の子)
漢字に使われている「玄」には、「奥深い」「遠くてかすか」という意味があります。古くから「遥か遠い世代の子孫」という意味合いを込めてこの漢字が当てられたとされています。
玄孫は何親等?家系図で見る続柄と「直系卑属」の法的位置づけ
法的な親族関係において、玄孫は何親等にあたるのでしょうか。日本の民法における親等の計算ルールでは、世代を1つ経るごとに「1親等」を加算します。自分から見て子は1親等、孫は2親等、曾孫は3親等となるため、玄孫は「4親等」に該当します。
また、家系図や法律の続柄において、自分より後の世代で血が直接つながっている子孫全般を「直系卑属(ちょっけいひぞく)」と呼びます。玄孫も間違いなく直系卑属のひとりです。反対に、父母・祖父母・曾祖父母・高祖父母といった上の世代は「直系尊属(ちょっけいそんぞく)」と呼ばれます。
民法第725条では「6親等内の血族」を法的な親族と定めているため、4親等である玄孫は、法律上も極めて明確かつ緊密な親族関係にあります。
玄孫に遺産相続権はあるのか?民法が定める代襲相続の真実
終活や遺言書作成の現場でよく質問されるのが、「玄孫に相続権はあるのか」という点です。結論から言うと、一定の条件下において玄孫にも正式な相続権(代襲相続権)が発生します。
民法上、子がすでに亡くなっている場合は「孫」が代わりに相続人(代襲相続人)となります。さらに孫も、曾孫もすでに他界している場合、相続権は下へ下へと受け継がれる仕組みになっており、これを「再代襲相続」と呼びます。
兄弟姉妹の子供(甥・姪)の場合は代襲相続が一代限りと定められていますが、直系卑属に関しては世代の制限がありません。そのため、直系の子・孫・曾孫が全員先に亡くなっているケースでは、玄孫が正当な法定相続人となり、遺留分を含めた権利を行使できます。
玄孫の次の呼び方は?来孫・昆孫・仍孫・雲孫へと続く親族の呼び方一覧
日本語には、玄孫よりもさらに先の子孫を指す固有の名称が細かく定義されています。「玄孫の次の呼び方」を知っておくと、家系図の作成や歴史の記述を読む際に役立ちます。
自分から下へ8世代先までの親族の呼び方一覧は以下の通りです。
| 世代 | 名称(漢字) | 読み方 | 親等 |
|---|---|---|---|
| 1世代下 | 子 | こ | 1親等 |
| 2世代下 | 孫 | まご | 2親等 |
| 3世代下 | 曾孫 | ひまご / そうそん | 3親等 |
| 4世代下 | 玄孫 | やしゃご / げんそん | 4親等 |
| 5世代下 | 来孫 | らいそん | 5親等 |
| 6世代下 | 昆孫 | こんそん | 6親等 |
| 7世代下 | 仍孫 | じょうそん | 7親等 |
| 8世代下 | 雲孫 | うんそん | 8親等 |
「雲孫(うんそん)」は、雲のように遠く離れて実態が見えないほど遥かな子孫という意味を持ちます。古来の日本人が血のつながりと世代の広がりをいかに大切に言語化してきたかが分かります。
生きているうちに「玄孫に会える確率」は?長寿社会における現実
平均寿命が伸びたとはいえ、実際に自分の玄孫と対面できる確率はどの程度あるのでしょうか。生きて玄孫を抱くためには、本人の長寿だけでなく「各世代の出産年齢」が大きく関わってきます。
例えば、親・子・孫・曾孫がそれぞれ20歳〜22歳前後で出産を重ねた場合、本人が85歳〜90歳を迎える頃に玄孫が誕生します。しかし、晩婚化・高齢出産が進む現代では、各世代が30歳前後で出産すると玄孫が生まれる頃には本人が120歳前後になってしまい、生存中に対面することは極めて困難です。
百寿(100歳)以上の高齢者が数多く暮らす地域でも、玄孫の誕生に立ち会えるのは「若い時期での出産が4世代連続し、かつ本人が健康寿命を保っている」という奇跡的な条件が揃ったケースに限られます。そのため、玄孫の誕生はニュースや地域の慶事として大きく取り上げられるほど特別な出来事といえます。
【玄孫 と は】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:玄孫(やしゃご)の配偶者は、自分から見て何親等になりますか?
A1:配偶者の血族、または血族の配偶者を「姻族(いんぞく)」と呼びます。玄孫の夫や妻は、自分から見て「4親等の姻族」となります。
Q2:自分から見て「玄孫」にあたる子から見たら、私のことは何と呼びますか?
A2:玄孫から見た4世代上の先祖は「高祖父母の親」にあたり、一般的には「五世の祖(ごせいのそ)」や「玄祖父母(げんそふぼ)」と呼ばれます。
Q3:家系図ソフトや戸籍謄本で「玄孫」はどのように表記されますか?
A3:戸籍上の続柄表記では、孫までは「孫」と書かれますが、曾孫以降は「曾孫」「玄孫」と記載されるか、身分事項欄において父母・祖父母との直系血族関係として証明されます。
「玄孫(やしゃご・げんそん)」は、ひ孫の子供であり、自分から数えて4親等の直系卑属にあたります。長寿化が進む中で実際に玄孫を抱く機会を持つ人は決して多くありませんが、法的な代襲相続権が認められているように、血族としてのつながりは確固たるものです。
「来孫」「昆孫」「仍孫」「雲孫」と続く先祖代々の呼び名を知ることは、単なる言葉の勉強にとどまらず、世代を超えて受け継がれる命のリレーを意識するきっかけにもなります。家系図の整理や家族の歴史を振り返る際には、ぜひこの豊かな続柄の知識を活用してください。