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カーリングの点数付け方を徹底解説!得点ルールと勝敗の仕組み

黒田 大河 黒田 大河 • 更新: • 公開: • 読了約 9 分
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氷上のチェスと称されるカーリングは、ストーンの配置や一投ごとの戦術が見応え抜群の頭脳派スポーツです。2026年の国際大会や中継を観戦していて、「なぜ円の中にたくさん石があるのに1点しか入らないのか」「相手の石が残っているのに得点になるのはどうしてか」と疑問を抱いた方も多いのと考えられます。

一見すると複雑に見えるカーリングのスコア計算ですが、実は根底にあるルールは非常にシンプルで合理的です。基本の得点メカニズムから、勝負の行方を大きく左右する後攻の利点、あえて無得点にする高度な戦術までを紐解けば、試合観戦の面白さは何倍にも跳ね上がります。

【基礎知識】カーリングの得点計算方法とハウスの点数の仕組み

カーリング点数の付け方

カーリングのリンク端に描かれている巨大な同心円ターゲットを「ハウス」と呼びます。外側から順に12フィート(青)、8フィート(白)、4フィート(赤)、そして中心の最も小さな円を「ボタン」と呼びます。ダーツやアーチェリーのように「真ん中に入れば高い点数が入る」と誤解されがちですが、円の同心円自体に点数の違いはありません。

得点の計算方法は、両チームがそれぞれ8投ずつ(計16投)投げ終えたエンド終了時に行われます。判定の基準は以下の2点に集約されます。

1. ハウス内(またはハウスの縁のラインにミリ単位でも触れている状態)にあるストーンだけが得点対象となる。
2. 中心(ティー)に最も近い石(ナンバーワンストーン)を配置したチームだけが得点権利を得る。

中心の「ボタン」に一番近い石を保有する「ナンバーワン」のチームが決定したら、次に「相手チームの中で最も中心に近い石」を探します。その相手ストーンよりも中心の内側に入っている自チームの石の個数を数え、それがそのままそのエンドの獲得点数になります。したがって、どれほど相手の石がハウス内に散らばっていても、ナンバーワンを取ったチームのみに点数が入り、相手チームは必ず「0点」となります。

【なぜ複雑に見える?】中心に一番近い石のみ得点になる基本ルールの真相

観戦初心者が「点数の付け方が分かりにくい」と感じる最大の理由は、「両チームに同時に点数が入ることが絶対にない」という独特のシステムにあります。一般的な球技のように互いのゴール数や得点を積み上げるのではなく、1エンドごとに勝者だけが点をもぎ取る「ゼロサムゲーム」の構造をとっているためです。

たとえば、円の内側に黄色チームの石が3個、赤色チームの石が2個入っていたとします。このとき、中心に最も近い1番目の石が「黄色」、2番目も「黄色」、3番目が「赤色」だった場合、赤色の最寄り石よりも内側にある黄色の石は2個となるため、スコアは「黄色 2 - 0 赤色」です。3番目に近い位置に黄色がもう1個あったとしても、赤色より遠ければカウントされません。

理論上、1エンドで入る最高得点は8点(エイト・エンダー)ですが、世界トップレベルの試合で8点が入るケースは奇跡に近い確率です。通常は1点から2点、ビッグエンドと呼ばれる大量得点でも3点〜4点程度で推移します。

なお、肉眼でどちらの石が中心に近いか判別できない場合は、審判員が専用の計測器具である「メジャー(コンパス状の測定器)」をハウス中央の穴に差し込み、回転させてミリ単位の距離を厳密に判定します。メジャー計測中は選手や観客も固唾をのんで見守る、カーリングならではの名場面です。

【戦術の鍵】後攻が圧倒的に有利な理由と「ハンマー」の決め方

カーリングでは、最後に石を投げる権利を持つ「後攻」が圧倒的に有利とされています。この後攻権を試合用語で「ハンマー(ラストロック)」と呼びます。

先攻チームはどれだけ良い位置に石を置いても、後攻チームの最後の一投によって弾き出されたり(テイクアウト)、中心を奪われたりするリスクに晒されます。逆に後攻側は、局面の最後に邪魔な石をどかして確実に1〜2点を確保できるため、圧倒的な主導権を握りながらエンドを進められます。

第1エンドにおけるハンマー(後攻)の決め方は、試合直前の練習時に行われる「LSD(ラストストーン・ドロー)」という事前投球で決定します。各チームの代表選手が中心(ティー)に向けてストーンを1投ずつ投げ、中心からの距離を測定。より中心に近づけたチームが第1エンドの後攻権を獲得します。第2エンド以降は、「直前のエンドで得点を取ったチームが次のエンドで先攻になる」という鉄則に従ってハンマーが移動します。

【知れば観戦が10倍面白い】「ブランクエンド」と「スティール」の意味と理由

点数計算の仕組みを理解すると、カーリングの高度な駆け引きである「ブランクエンド」と「スティール」の価値が鮮明に見えてきます。

「ブランクエンド」とは、両チームともに得点が入らず「0 - 0」でエンドを終了させる戦術です。後攻チームは「2点以上の複数得点」を狙うのが定石ですが、相手の守りが堅く1点しか取れそうにない局面では、あえてハウス内の石をすべて掃き出して0点で終わらせます。なぜなら、0点で終えれば「次のエンドも有利な後攻権をキープできる」からです。終盤の勝負どころまで後攻を持ち越すための、極めてクレバーな選択肢といえます。

一方、不利な先攻チームが相手のミスを誘い、後攻の相手から点数を奪い取ることを「スティール(Steal)」と呼びます。先攻での得点は事実上のボーナスポイントであり、試合の流れを一気に引き寄せるビッグプレーとなります。

【試合進行と決着】エンド数・延長戦ルールと「コンシード」の基準・経緯

主要な国際大会や国内選手権におけるカーリングの試合は、通常10エンド(一部大会や混合ダブルスでは8エンド)で行われます。規定のエンド数を終えて同点の場合は、「エキストラエンド(延長戦)」に突入します。延長戦では第10エンドで点を取られた側が後攻となり、先に1点でも取ったチームが即座に勝利(サドンデス方式)となります。

また、テレビ中継で予定より早く試合が終わる場面を目にすることがあります。これは「コンシード(自発的な敗北宣言)」によるものです。残りエンド数と点差を照らし合わせ、物理的・戦術的に逆転が不可能な点差(例:残り2エンドで6点差など)になった場合、負けているチームが相手チームの選手全員と握手を交わしてゲームセットとなります。

コンシードは決して「試合放棄」ではなく、勝者への敬意と無駄な投球を省くスポーツマンシップに則った伝統的な作法です。潔く負けを認め、互いを称え合う姿勢こそがカーリングの原点にあります。

【カーリング 点数 の 付け方】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:ハウスの外側にある石は、相手より中心に近くても得点になりませんか?
A1:得点には一切なりません。スコアの対象となるのは、外側の大きな円(12フィートサークル)の縁にミリ単位でも触れているストーンのみです。完全にはみ出している石はカウント外となります。

Q2:1エンドで両チームに点数が入るケースはありますか?
A2:絶対にありません。中心に一番近い石を持つチームのみが加点され、相手チームは自動的に0点となります。同着判定もメジャー等で厳密に区別されるため、双方が得点することはありません。

Q3:なぜ1点取れる場面でわざと0点(ブランクエンド)にするのですか?
A3:後攻で1点しか取れないと、次のエンドで不利な「先攻」になってしまうためです。あえて無得点にすることで後攻権を維持し、次のエンドで2点以上の大量得点を狙う戦略的な判断です。

カーリングの点数の付け方は、「中心に一番近いチームだけが得点する」「相手の最寄り石の内側にある数だけカウントする」というシンプルな原則で成り立っています。

そのシンプルなルールの裏に、後攻の権利を巡る攻防、リスクを避けるブランクエンド、そして先攻からの劇的なスティールといった緻密な戦術が張り巡らされています。得点計算の仕組みと各エンドの意図を把握しながら、氷上で繰り広げられる知力と技術のぶつかり合いを存分に楽しんでください。

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黒田 大河
デジタルマーケター 黒田 大河
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