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介護休業申出書の書き方と提出期限|給付金の手続きや拒否条件を徹底解説

安藤 澪 安藤 澪 • 更新: • 公開: • 読了約 11 分
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家族の突然の病気や衰えによって直面する「親の介護」。仕事を続けながら体制を整えるためのセーフティネットとして用意されているのが介護休業制度です。しかし、いざ制度を利用しようとしても、「介護休業申出書はどこで手に入り、誰にいつ出せばいいのか」「申請が遅れると給付金がもらえなくなるのか」といった実務面での不安を抱えるビジネスパーソンは少なくありません。

仕事と介護の両立において、初動の手続きを誤ると、受け取れるはずの手当が遅れたり、職場との調整が難航したりするリスクがあります。本記事では、厚生労働省の最新指針や法改正の動向を踏まえ、申出書の正しい書き方や提出期限、給付金手続きの全容まで、現場目線でわかりやすく解説します。

【基本ルール】介護休業申出書はいつ誰に出す?提出期限「2週間前」の鉄則

介護休業申出書

介護休業を取得する際、最初に行う法的な手続きが「介護休業申出書」の提出です。提出先は自身が所属する会社の事業主(一般的には人事部や総務部の担当窓口)となります。口頭での伝達だけでは法的な申出とみなされない場合があるため、必ず書面または社内規定に応じた電子申請システムで提出しなければなりません。

法律上の提出期限は、原則として休業を開始しようとする日の2週間前と定められています。育児休業の提出期限(原則1か月前)と比べて短く設定されているのは、介護が予期せず急激に発生しやすい事情を考慮したものです。

もし2週間前を過ぎて急に申出を行った場合、会社側は申出があった日の翌日から起算して2週間以内の日を「休業開始日」として指定できる権利を持ちます。希望通りの日から休めなくなる恐れがあるため、親や家族の容態が変化した段階で、速やかに会社へ事前相談を入れておくことがトラブル防止の鉄則です。

【書き方・記入例】厚生労働省テンプレートから見る必須記入項目と注意点

介護休業申出書のフォーマットは、自社で指定用紙が用意されているケースが多いですが、規定がない場合は厚生労働省が公開している標準テンプレートを活用できます。基本的な記入項目と作成時の要点は以下の通りです。

記入時に特に精査されるのは、休業を必要とする理由と対象家族の状況です。要介護認定を受けている場合は「要介護度」を記載し、認定前であっても医師の診断書や「常時介護を必要とする状態(2週間以上の期間にわたり日常生活の動作に介助を要する状態)」に該当する事実を具体的に書き添えます。

また、期間の通算カウントを間違えないよう、過去に同じ家族で介護休業を取得した履歴がある場合は、その日数と回数を正確に把握した上で記入することが大切です。

【支給申請の壁】提出遅れで介護休業給付金がもらえない恐れの真相

介護休業中の生活を支える柱となるのが、雇用保険から支給される「介護休業給付金」です。休業前の賃金の原則67%(非課税)が支給される極めて手厚い制度ですが、申出や申請の遅れによって給付が受けられない事態への懸念が広がっています。

休業期間中に無給となる企業が多いため、この給付金が出なければ経済的打撃は免れません。給付金を受給するには、休業開始前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あることなどの被保険者要件を満たした上で、会社を通じてハローワークへ「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」および「介護休業給付金支給申請書」を提出する必要があります。

申出書の提出が遅れて社内処理が滞ると、ハローワークへの支給申請期限(休業終了日の翌日から起算して2か月後の月末まで)を徒過してしまう危険があります。期限を過ぎると時効(2年)にかかるまでは再請求が可能とはいえ、審査が長期化し、休業中の当座の生活費が底をつく事態に直面しかねません。

【拒否されるケース】会社側が申出を拒める正当な理由と法的な適用基準

労働者が介護休業を申し出た際、会社がそれを一方的に拒否することは育児・介護休業法で原則として禁じられています。ただし、法的な労使協定が締結されている場合に限り、例外的に申出を拒否できる合理的な理由が存在します。

具体的に会社側が拒否できる対象者は、主に以下の条件に該当する従業員です。

  • 入社1年未満の労働者(労使協定で除外対象と定められている場合)
  • 申出の日から93日以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

契約社員やパートタイムなどの有期雇用労働者であっても、介護休業を取得できる権利があります。以前存在していた「同一事業主での勤続1年以上」という要件は法改正で撤廃されており、休業終了後も雇用が継続する見込みがあれば原則として取得可能です。「人手不足だから」「正社員ではないから」といった恣意的な理由で拒否された場合は、違法性が極めて高いと判断されます。

【期間と分割】対象家族1人につき通算93日・最大3回取得の活用術

介護休業の取得可能期間は、対象家族1人につき通算93日までと定められており、最大3回まで分割して取得することができます。ここで多くの人が陥りがちな誤解が、「93日間ずっと自分が付きっきりで介護するための制度」と捉えてしまう点です。

介護休業の本来の趣旨は、自ら直接介護をし続けることではなく、仕事と介護を両立するための体制(ケアプランの作成、介護保険サービスの契約、施設探しなど)を構築することにあります。人間の介護は数か月から数年、時には10年以上続くことも珍しくありません。93日間を使い切って自力介護を続けようとすれば、休業明けに待っているのは介護離職です。

1回目の休業で要介護認定の申請やケアマネジャーとの面談、デイサービスの選定を行い、2回目の休業で容態急変時の見直しを行うなど、局面に応じて分割取得することで、キャリアを維持しながら持続可能なケア体制を整えることが可能になります。

【復職後の両立】介護短時間勤務申出書と雇用保険手続きの全体フロー

介護休業を終えて職場復帰した後も、日々の通院付き添いやデイサービスの送迎など、時間的制約が続くケースが一般的です。その際に活用すべき制度が介護短時間勤務(時短勤務)です。

短時間勤務を希望する場合も、会社へ「介護短時間勤務申出書」を提出します。法律上、対象家族1人につき利用開始から連続する3年以上の期間で2回以上の利用が認められており、所定労働時間を原則1日6時間程度に短縮できます。その他、所定外労働の制限(残業免除)や時間外労働の制限、深夜業の制限なども併せて申請可能です。

会社における一連の手続きの流れとしては、まず休業の申出から始まり、休業中の給付金申請、復帰前の面談、そして復帰後の時短勤務申請へとシームレスに繋げていくことが、円滑な職場復帰の鍵となります。

【2026年最新】育児・介護休業法改正による企業側の義務化と支援体制

少子高齢化と労働力不足が一段と深刻化する中、国は介護離職防止のための法制化を強力に推し進めています。育児・介護休業法の段階的改正に伴い、企業には従業員への早期情報提供と相談体制の整備が厳格に義務付けられています。

特に注目すべき変化は、従業員が40歳等に達したタイミングでの個別周知・意向確認の義務化です。40歳は介護保険第2号被保険者となり介護保険料の納付が始まる節目であり、親の介護が現実味を帯びる世代に対して、企業側から制度内容を能動的に案内することが求められるようになりました。

また、介護休業を取得したことや制度利用を相談したことを理由とする解雇、降格、減給といった不利益取扱いは厳格に禁止されており、万が一ハラスメントや不当な扱いを受けた場合は、社内相談窓口や都道府県労働局の雇用環境・均等部へ申し立てることが可能です。

【介護休業申出書】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:対象家族が要介護認定をまだ受けていない状態でも申出書は提出できますか?
A1:提出可能です。要介護認定の申請中である場合や認定前であっても、厚生労働省が定める「常時介護を必要とする状態」の基準に該当していれば対象となります。申出書には家族の具体的な心身状態を記載し、必要に応じて主治医の意見書や診断書を添付して会社と調整します。

Q2:介護休業中に会社から給与が出ない場合、社会保険料の支払いはどうなりますか?
A2:育児休業とは異なり、介護休業中は健康保険や厚生年金保険料の「免除制度」がありません。そのため休業中も保険料の支払い義務が生じます。会社側が一時的に立て替えて復職後に精算するか、休業中に毎月振り込むかなどの取り扱いについて、事前に担当窓口へ確認しておく必要があります。

Q3:申出書を出した後に家族の容態が急変し、休業期間を変更することは可能ですか?
A3:休業開始日の繰り上げは特別な事情がない限り原則難しいですが、休業終了予定日の「繰り下げ(延長)」は、通算93日の上限の範囲内であれば1回の申出につき1回に限り可能です。その際は、変更理由を添えて速やかに会社へ変更届を提出する必要があります。

介護は突然始まり、終わりが見えにくいライフイベントです。家族のピンチに直面したとき、パニックになって「自分が会社を辞めて面倒を見よう」と決断してしまうことこそが、最も避けるべき選択肢といえます。

介護休業制度と介護休業申出書は、仕事を辞めずに専門家や外部サービスへ介護を委ねる体制を整えるための強力な武器です。開始2週間前の提出期限を守り、適切な記入と手続きを進めることで、給付金を確保しながら冷静に生活の基盤を再構築することができます。一人で抱え込最初に、まずは会社の労務担当者や地域包括支援センターへ相談することから始めてみてください。

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コンテンツディレクター 安藤 澪
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