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『飾りじゃないのよ涙は』コード進行!初心者向け簡単弾き方と転調の秘密

安藤 澪 安藤 澪 • 更新: • 公開: • 読了約 9 分
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1984年のリリース以来、昭和歌謡・80年代ポップスの金字塔として圧倒的な存在感を放ち続ける中森明菜の代表曲『飾りじゃないのよ涙は』。シンガーソングライターの井上陽水が作詞・作曲を手掛けたこの楽曲は、エッジの効いたメロディラインと疾走感あふれるビートで、令和の音楽シーンにおいても弾き語りやバンドセッションの人気レパートリーとして定着しています。

一見するとアップテンポで難易度が高そうに感じられますが、コードの骨格自体は非常に合理的で、要点を押さえればギターやピアノ、ウクレレ初心者でも格好良く演奏可能です。本稿では、楽曲を彩るコード進行の緻密な分析をはじめ、初心者向けの簡単コード譜、井上陽水が仕掛けた転調とグルーヴの秘密を余すところなく解説します。

【楽曲の基本情報】中森明菜×井上陽水が生んだ伝説的名曲のキーと構成

飾りじゃないのよ涙はコード

1984年11月にリリースされた中森明菜の10枚目のシングル『飾りじゃないのよ涙は』は、それまでのツッパリ路線や哀愁歌謡のイメージを刷新し、ニューウェイブやロックの要素を取り入れた歴史的名作です。作詞・作曲は井上陽水、編曲は萩田光雄が担当しました。

原曲の基本キーはAm(イ短調)、テンポ(BPM)は約136とかなり速めのダンスロック調に設定されています。全体は「イントロ → Aメロ → Bメロ → サビ → 間奏 → アウトロ」という王道のJ-POP構造を踏襲しながらも、1小節ごとのコードチェンジとシンコペーション(拍の前乗り)が緻密に組み込まれており、聴き手に息をもつかせぬ緊張感を与えます。

【コード進行分析】なぜスリリング?井上陽水が仕掛けた「転調とコードワーク」の秘密

『飾りじゃないのよ涙は』のコード進行を分析すると、シンプルなダイアトニックコードをベースにしつつも、要所で強烈な推進力を生み出すフックが仕掛けられていることが分かります。

Aメロ(「私は泣いたことがない〜」)は、「Am - Dm - G - C - F - Dm - E7」という哀愁を帯びたマイナーコード進行で進行します。ここでポイントとなるのが、トニックマイナーのAmからドミナントであるE7(イー・セブンス)へ解決する緊張と緩和のサイクルです。このE7の響きが、楽曲全体に漂う大人びた影を決定づけています。

そして最大の見せ場であるサビ(「飾りじゃないのよ 涙は HA-HAN」)では、一気にリズムが解放されます。コードは「Am - Dm - E7 - Am」の力強いリフレインを軸に展開。メロディの跳躍とともに、同主調や平行調(Cメジャー)をかすめるようなコードワークが差し込まれ、切なさを保ちながらも突き抜けるようなキャッチーさを成立させています。陽水マジックとも呼ぶべき絶妙なトーン設計が、40年以上の時を経ても色褪せないモダンな響きを支えています。

【初心者向け攻略法】カポ活用で即マスター!弾き語り向け簡単コード譜

「バレーコードのFやB7が苦手で指が届かない」というギター初心者でも、カポタスト(Capo)を活用したり、構成音を絞り込んだりすることで無理なく弾き語りを楽しめます。

原曲キー(Am)のまま演奏する場合、主な使用コードはAm・Dm・Em・F・G・C・E7の7つです。難関とされるFコードは、6弦を押さえずに1〜4弦のみを鳴らす簡易フォーム(スモールF)で代用するとスムーズに進行できます。

さらに運指をシンプルにしたい場合は、カポタストを2フレットに装着してKey=Gmフォームで鳴らす、あるいは開放弦を多用できるポジションへとキー移調を行うアプローチも有効です。オンラインのコード譜配信サイトや楽譜ビューワーを使えば、自身のボーカル音域に合わせてワンクリックでキー調整が可能です。

【楽器別演奏ガイド】ギター・ピアノ・ウクレレでかっこよく魅せるアレンジ術

本楽曲を楽器単体、あるいはアンサンブルで演奏する際は、楽器ごとの特性に合わせたリズムアプローチがクオリティを左右します。

■ アコースティックギター / エレキギター
ギターコードを演奏する最大の肝は「ブラッシングとキレ」です。サビ前のブレイクや、Aメロの裏拍を感じさせるカッティングを取り入れることで、原曲の持つタイトなビートをアコギ1本でも再現できます。

■ ピアノ / キーボード
ピアノコードで演奏する場合、右手は8分音符でタイトにコードを刻み、左手はオクターブやシンコペーションを効かせたベースラインを意識します。サビの「HA-HAN」の合間に入るオブリガート(短いフレーズ)を右手で再現すると、一気に本格的なアレンジへと仕上がります。

■ ウクレレ
ウクレレコードでの演奏では、High-Gチューニング特有の軽快さを活かしたストラミングがおすすめです。マイナーコードの持つ重さをウクレレの軽快なピッキングで中和させることで、独特のシティポップ風ボサノバアレンジとしても楽しめます。

【アンサンブルの要】躍動感を支えるベースラインとタブ譜の読み解き方

バンド演奏やセッションにおいて、楽曲のドライブ感を司っているのがベースラインです。原曲のベースは、萩田光雄の秀逸なアレンジにより、16分音符の細かなゴーストノートと力強いルート弾きが交錯するファンキーなラインを描いています。

ベースラインのタブ譜(TAB)を確認すると、Amのセクションではルート(A)と5度(E)、オクターブ上のAを行き来しながら、オケ全体を力強くプッシュしていることが分かります。サビ前で一瞬音を止める「キメ」をドラムと完全に一致させることが、アンサンブルをタイトに引き締める最大の秘訣です。

【楽譜・移調の選び方】自分に合ったキー設定とオンライン楽譜配信サービスの活用法

女性ボーカルはもちろん、男性が原曲キーのまま歌うと高音域が厳しくなるケースが少なくありません。男性ボーカルで弾き語りをする場合は、完全4度〜5度下げた「Key=Em」または「Key=Dm」へ移調すると、無理のない声域で歌唱できます。

現在では主要な電子楽譜配信サービス(ぷりんと楽譜、ヤマハmysound、各種コードサイトなど)にて、ピアノソロ用、ギター弾き語り用、バンドスコア、ウクレレ用など多彩なタブ譜・スコアが配信されています。自分に合った難易度やキーの譜面をダウンロードし、まずはテンポを100程度まで落としてメトロノームに合わせる練習から始めるのが上達への近道です。

【飾りじゃないのよ涙はのコード】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:ギターを始めたばかりですが、最も簡単に弾くセッティングはありますか?
A1:カポタストを使わずにKey=Amで演奏し、難しい「F」コードを「FM7(ファ・ラ・ド・ミ)」または1〜4弦のみを押さえる略記フォームに置き換えるのが最もスムーズです。主要なAm、C、G、Em、E7はオープンコードで押さえられるため、初心者でも数日の練習で通し演奏が可能になります。

Q2:井上陽水のセルフカバー版(アルバム『9.5カラット』収録)とはコード進行が違いますか?
A2:基本的なコード進行の骨格は中森明菜版と同一ですが、井上陽水版はテンポがややゆったりとしたファンク・レゲエ調にリアレンジされており、テンションコード(Am7やD9など)の響きが強調されています。アコースティックで落ち着いた雰囲気に仕上げたい場合は、陽水版のグルーヴを参考にするのがおすすめです。

Q3:ピアノ弾き語りをする際、サビのコード進行をきれいに響かせるコツは?
A3:サビの「Am - Dm - E7 - Am」では、右手のトップノート(一番高い音)が滑らかにつながるよう転回形(インバージョン)を活用してください。例えばAm(ラ・ド・ミ)からDm(ラ・レ・ファ)へ移る際、共通音である「ラ」の位置を固定して演奏すると、コードチェンジが美しく響きます。

中森明菜が放った圧倒的なボーカル表現と、井上陽水が編み出した緻密なコードワークが融合した『飾りじゃないのよ涙は』。その構造を紐解くと、シンプルでありながら計算し尽くされたコード進行の美しさが浮き彫りになります。

アコースティックギターで泥臭く弾き語るもよし、ピアノで都会的に奏でるもよし、バンドでタイトにグルーヴを刻むもよし。まずは基本のコード進行を指に馴染ませ、世代を超えて愛される名曲のドライブ感を体感してみてください。

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コンテンツディレクター 安藤 澪
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