転職時の履歴書作成、退職金の税額シミュレーション、あるいは有給休暇の付与日数の確認など、ビジネスパーソンが自身の「勤続年数」を正確に把握しなければならない場面は意外と多く存在します。しかし、昭和・平成・令和と元号をまたぐ計算や、「1年未満の端数はどう処理するのか」といった実務上のルールに頭を悩ませる方も少なくありません。
2026年(令和8年)の現在時点において、入社年から何年が経過しているのかを即座に判定できるよう、西暦・和暦完全対応の対照表を作成しました。あわせて、知っておかないと手取り額や権利関係で損をする「端数処理の盲点」や実務での計算テクニックまで、わかりやすく解説します。
【2026年最新】勤続年数早見表|令和・平成・昭和と西暦の入社年対照表

2026年(令和8年)の入社月に迎える「満勤続年数」をまとめた一覧です。履歴書への記載や、年次管理のベースとしてご活用ください。
| 入社年(和暦) | 入社年(西暦) | 2026年時点の勤続年数(満年数) | 主な節目・キャリアステージの目安 |
|---|---|---|---|
| 令和7年 | 2025年 | 1年 | 第2新卒・基礎業務の習得期 |
| 令和6年 | 2024年 | 2年 | 独り立ち・実務推進期 |
| 令和5年 | 2023年 | 3年 | 最初のキャリア見直し・転職市場での評価期 |
| 令和4年 | 2022年 | 4年 | 中堅層への移行期 |
| 令和3年 | 2021年 | 5年 | リーダー職・無期転換ルールの対象期 |
| 令和2年 | 2020年 | 6年 | 有給休暇の最大付与日数(年20日)へ到達 |
| 平成31年 / 令和元年 | 2019年 | 7年 | チームマネジメント・主力メンバー |
| 平成28年 | 2016年 | 10年 | 中堅〜管理職・退職金制度の節目 |
| 平成23年 | 2011年 | 15年 | シニアポジション・課長クラス |
| 平成18年 | 2006年 | 20年 | 退職所得控除の枠が大幅拡大(年70万円枠へ) |
| 平成13年 | 2001年 | 25年 | 部長クラス・長期勤続表彰の対象 |
| 平成8年 | 1996年 | 30年 | 経営幹部・役員クラス |
| 平成3年 | 1991年 | 35年 | 定年退職準備期(バブル入社世代) |
| 昭和61年 | 1986年 | 40年 | 雇用延長・定年後再雇用満了期 |
※4月1日入社の場合、2026年4月1日を迎えた時点で上記テーブルの満年数に到達します。月途中の計算を行う際は、直前の満年数に入社月からの経過月数を加味してください。
退職所得控除の計算方法|1日でも余れば「切り上げ」で税負担が激減するルール
退職金を受け取る際、所得税や住民税を大幅に軽減してくれる仕組みが「退職所得控除」です。ここで極めて重要なのが、税務上の勤続年数は「1年未満の端数をすべて切り上げる」という法律上の大原則です。
たとえば、実際の在籍期間が「20年と1日」だった場合、税法上は「21年」として計算されます。わずか数日の違いで控除枠が数十万円単位で増加するため、退職日を決める際は見過ごせないポイントです。
| 勤続年数区分 | 退職所得控除額の計算式 |
|---|---|
| 勤続年数20年以下 | 40万円 × 勤続年数(※最低保証額は80万円) |
| 勤続年数20年超 | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年) |
勤続年数が20年を超えると、1年あたりの控除加算額が40万円から70万円へ跳ね上がる設計になっています。20年と1ヶ月勤務して退職した場合、勤続年数は21年とみなされ、控除額は「800万円 + 70万円 = 870万円」まで広がります。自身の手取りを守るためにも、退職日の設定と切り上げルールの関係は必ず確認しておきましょう。
有給休暇の付与日数と勤続年数の関係|入社半年から最大20日までの付与基準
労働基準法第39条に基づき、勤続年数に応じて付与される年次有給休暇の日数は厳格に定められています。初年度は雇入れの日から6ヶ月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤することで最初の10日が付与されます。
| 勤続年数(雇入れからの経過期間) | 法定の有給休暇付与日数 |
|---|---|
| 6ヶ月 | 10日 |
| 1年6ヶ月 | 11日 |
| 2年6ヶ月 | 12日 |
| 3年6ヶ月 | 14日 |
| 4年6ヶ月 | 16日 |
| 5年6ヶ月 | 18日 |
| 6年6ヶ月以上 | 20日(上限) |
勤続年数が6年6ヶ月に達すると、以降は毎年最大となる20日が付与され続けます。なお、有給休暇の有効期限は労働基準法第115条により「2年間」と規定されているため、付与された日から2年を経過すると時効によって消滅する点にも留意が必要です。
履歴書・職務経歴書での正しい書き方|「在籍期間」との混同を防ぐ注意点
転職活動における履歴書や職務経歴書では、年号の表記揺れや在職期間の曖昧な記載が採用担当者に悪印象を与える要因になります。以下の3原則を押さえておくことで、信頼性の高い応募書類を作成できます。
1. 和暦と西暦の統一
学歴欄と職歴欄、さらには履歴書全体で「令和・平成・昭和」の和暦を使うか、「2026年」などの西暦を使うかを一貫させます。外資系企業やIT業界では西暦表記が好まれる傾向にありますが、国内企業ではどちらを用いても統一されていれば問題ありません。
2. 「現在に至る」と「以上」の配置
在職中に転職活動を行う場合、職歴の最終行には「株式会社〇〇 開発部 入社(現在に至る)」または「在職中」と明記し、改行して右下に「以上」と記載します。退職日が確定している場合は「2026年3月31日 退職予定」と書き添えると引き継ぎ状況が明快に伝わります。
3. 短期離職やブランク期間の端数扱い
履歴書の職歴には「年月」を単位として記載するのが慣例です。数週間の端数を無理に切り上げ・切り下げて書く必要はなく、社会保険の加入記録と一致する「入社年月」「退職年月」をそのまま記すことが経歴詐称のリスクを防ぐ最善策となります。
休職期間や育休はカウントされる?退職金・有休における扱いの分岐点
産前産後休業、育児休業、介護休業、あるいは傷病による私傷病休職を取得した場合、勤続年数のカウント方法は「何の目的で計算するか」によって取り扱いが真逆に分かれます。
【有給休暇の算定】
法律上、産前産後休業・育児休業・介護休業、および業務上の負傷による療養期間は「出勤したもの」とみなして出勤率を計算するよう労働基準法第39条で義務付けられています。そのため、育休などを取得していても有給休暇の付与日数が削られたり、年次カウントがリセットされることはありません。
【退職金・昇給の算定】
一方、会社独自の「退職金規定」や「就業規則」においては、育児休業や私傷病休職の期間を退職金の勤続年数から除外(切り捨て)する旨を定めている企業が目立ちます。休職期間がそのまま勤続年数に含まれるかどうかは勤務先の退職金規程に委ねられているため、人事部への確認や就業規則の事前チェックが欠かせません。
エクセルでの計算式(DATEDIF関数)と自動計算ツールの活用テクニック
人事労務の実務や自己管理で複数の社員・期間を正確に割り出したい場合、表計算ソフトのDATEDIF関数が最も確実な手法となります。
エクセルのセルに以下のように関数を入力します。
| 算出したい項目 | 入力する関数式(例:A2セルに入社日、B2セルに基準日がある場合) |
|---|---|
| 満年数(〇年) | =DATEDIF(A2, B2, "Y") |
| 1年未満の月数(〇ヶ月) | =DATEDIF(A2, B2, "YM") |
| 1ヶ月未満の日数(〇日) | =DATEDIF(A2, B2, "MD") |
| 「〇年〇ヶ月」と連結表示 | =DATEDIF(A2, B2, "Y") & "年" & DATEDIF(A2, B2, "YM") & "ヶ月" |
また、計算を手軽に済ませたい場合は、Web上で提供されている各種の勤続年数自動計算ツールを活用すると、カレンダー入力だけで即座に日数・月数・税法上の切り上げ年数まで出力できます。エクセルシートの作成が手間に感じる場面では、公的機関や労務ポータルが提供するシミュレーターの併用が効率的です。
【勤続年数早見表】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:契約社員から正社員へ登用された場合、勤続年数はどう通算されますか?
A1:労働基準法上の有給休暇の算定においては、雇用形態が変わっても実質的に労働契約が継続していれば契約社員時代の期間を通算する必要があります。ただし、退職金の勤続年数については就業規則の定めにより「正社員登用時から起算」と規定されているケースもあるため、社内規程の確認が必須です。
Q2:退職所得控除の計算で、同一年に2社以上から退職金をもらう場合はどうなりますか?
A2:同一年内に複数社から退職金を受け取る場合、勤続期間が重複している部分は二重に控除枠を適用することができません。重複期間を調整した上で合算して確定申告を行う必要があります。
Q3:入社日が「2020年4月1日」で退職日が「2026年3月31日」の場合、勤続年数は何年になりますか?
A3:この場合、ちょうど満6年(6年0ヶ月)となります。退職日があと1日延びて「2026年4月1日」になれば「6年と1日」となり、退職所得控除の計算上は切り上げが適用されて「7年」として扱われます。
Q4:勤続年数に試用期間は含まれますか?
A4:試用期間であっても法的な雇用契約は成立しているため、有給休暇の付与要件、社会保険、退職金のいずれにおいても原則として勤続年数に含まれます。
勤続年数は、単なる在職期間の記録にとどまらず、退職時の税金控除や有給休暇の付与日数、転職時のキャリア評価などに直結する極めて重要なデータです。
特に退職所得控除における「1日でも超えれば切り上げ」という税制上のルールや、休職期間が各種制度に与える影響は、事前に把握していなければ大きな不利益を被るリスクを孕んでいます。今回紹介した早見表や計算ルールを指針として活用し、自身の正確なステータスを把握した上で、最適なキャリア選択や各種手続きを進めてください。