日本全国のみならず世界中で親しまれている讃岐うどん専門店「丸亀製麺」。その屋号から「当然、本社は本場である香川県丸亀市にあるのだろう」と思い込んでいる人は少なくありません。しかし実際のところ、丸亀製麺を傘下に収める親会社のヘッドクオーターは香川県ではなく、大都会・東京の渋谷に置かれています。
さらに歴史を紐解くと、丸亀製麺が産声をあげた発祥の地は香川県ですらなく、兵庫県加古川市という意外な事実に行き着きます。なぜ讃岐の地名を冠しながら兵庫で生まれ、現在の東京・渋谷へと本社機能を移転させたのか。本稿では、運営元である株式会社トリドールホールディングスの歩みと創業者・粟田貴也社長の経営戦略に迫り、知られざる真相を解き明かします。
【驚きの真相】丸亀製麺の本社はどこ?香川県丸亀市ではなく「東京・渋谷」
「丸亀製麺の本社はどこにあるのか」という問いに対し、香川県をイメージする人は多いはずです。しかし、丸亀製麺を展開する持株会社・株式会社トリドールホールディングスの本社は東京都渋谷区に位置しています。最先端のトレンドとビジネスが集積する渋谷のランドマークビル「渋谷ソラスタ」にオフィスを構え、ここから国内外に広がる巨大な店舗網を統括しています。
過去には「本場・香川の企業ではないのに丸亀を名乗るのはなぜか」といった議論がメディアやSNSで巻き起こったこともありました。香川県丸亀市に本社や登記上の本店が置かれた事実は創業以来一度もありません。丸亀製麺はあくまで兵庫県で創業し、現在では東京から世界各国へブランドを発信するグローバル外食企業へと成長を遂げています。
【なぜ丸亀?】讃岐うどんの聖地と創業の歴史|香川県丸亀市との意外な関係
では、発祥の地でも本社所在地でもない「丸亀」という地名を、なぜブランド名に採用したのでしょうか。その答えは、創業者である粟田貴也(あわた・たかや)社長のルーツと幼少期の原体験にあります。
粟田社長の実父は香川県丸亀市の出身でした。幼い頃から父の故郷を訪れる機会が多く、そこで目にした讃岐うどん特有の「目の前で麺を打ち、大きな釜で茹で上げ、熱気あふれる店内で食べる」という製麺所文化に強い感銘を受けたといいます。
「あの活気と感動を全国の人々に届けたい」という純粋なリスペクトと情熱から、父のゆかりの地である「丸亀」の名を冠した「丸亀製麺」が誕生しました。単なるマーケティング的なネーミングではなく、創業者の原風景と讃岐うどん文化への強い憧れが込められた屋号なのです。
【発祥の地は兵庫県加古川市】1号店オープンから全国制覇までの企業沿革
丸亀製麺の歴史は、うどん店から始まったわけではありません。創業の原点は1985年に兵庫県加古川市で開業した大衆居酒屋「トリドール三宮店」(創業店)に遡ります。その後、焼き鳥店などを中心に飲食事業を展開し、1990年に有限会社トリドールコーポレーションを設立しました。
転機が訪れたのは2000年11月のことです。加古川市内にセルフうどん業態の第1号店として「丸亀製麺 加古川店」を出店。店内に製麺機を置き、小麦粉からうどんを作るライブ感あふれる劇場型店舗が瞬く間に評判を呼び、大ヒットを記録しました。
その後、加古川市から兵庫県全域、関西圏、そして全国へと破竹の勢いで出店を加速。2011年には全47都道府県への出店を達成し、名実ともに日本を代表するうどんチェーンの地位を確立しました。
【社長・粟田貴也氏の経営戦略】トリドールHDが本社を東京・渋谷へ移転した決定的な理由
創業の地である兵庫県加古川市から神戸市へ本社を移し、さらに東京へと拠点を移転させた背景には、粟田社長の明確な成長ビジョンがありました。トリドールホールディングスが本社を東京・渋谷へ移転した決定的な理由は「グローバル化の推進」と「優秀な人材の確保」です。
世界中で店舗展開を進めるグローバルフードカンパニーを目指す上で、情報の発信地であり国際的なビジネス機能が集中する東京に拠点を置くことは不可欠でした。また、ITエンジニアや海外マーケティング、財務戦略などに精通した高度なプロフェッショナル人材を採用するためにも、渋谷という立地が極めて大きなアドバンテージとなっています。
地方発の飲食チェーンから世界水準のマルチブランドカンパニーへと脱皮を図るための必然的な戦略判断が、渋谷への本社集約だったと言えます。
【企業概要とアクセス】トリドールホールディングス本社の所在地・交通情報
丸亀製麺の運営母体である株式会社トリドールホールディングスの企業概要および本社へのアクセス情報は以下の通りです。
【企業概要】
・会社名:株式会社トリドールホールディングス(TORIDOLL Holdings Corporation)
・代表者:代表取締役社長 兼 CEO 粟田 貴也
・事業内容:飲食業を営む傘下子会社の経営管理および飲食店舗の運営(丸亀製麺、ずんどう屋、コナズ珈琲など)
・上場市場:東京証券取引所 プライム市場(証券コード:3397)
【本社所在地と交通アクセス】
・住所:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-21-1 渋谷ソラスタ 19階
・アクセス:JR・東急各線・京王井の頭線・東京メトロ「渋谷駅」より徒歩約6分、京王井の頭線「神泉駅」より徒歩約4分
【丸亀製麺の本社】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:丸亀製麺の本社は香川県丸亀市に実在しないのですか?
A1:実在しません。丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスの本社は東京都渋谷区にあります。創業の地も兵庫県加古川市であり、丸亀市に本社が置かれた歴史はありません。
Q2:丸亀製麺の「1号店」は現在も営業していますか?
A2:2000年11月にオープンした記念すべき第1号店「丸亀製麺 加古川店」(兵庫県加古川市)は、現在も営業を続けており、ファンの間では聖地として親しまれています。
Q3:香川県内に丸亀製麺の店舗はあるのでしょうか?
A3:出店しています。本場・讃岐うどんの激戦区である香川県内にも店舗を構え、地元住民や観光客に利用されています。
「丸亀」という讃岐の地名を背負いながら、兵庫県加古川市で産声をあげ、東京・渋谷のヘッドクオーターから世界を舞台に躍進する丸亀製麺。その背景には、讃岐うどん文化への深い敬意と、地方の小さな居酒屋から世界的外食企業へと押し上げた綿密な経営戦略がありました。
手づくり・できたての感動体験にこだわりながら、国内外で新たな食の価値を創出し続ける同社の挑戦に、今後も目が離せません。