ホーム 芸能ニュース・ゴシップ 耳垢が湿っているのはなぜ?体質やワキガとの関係と正しいケア法

耳垢が湿っているのはなぜ?体質やワキガとの関係と正しいケア法

黒田 大河 黒田 大河 • 更新: • 公開: • 読了約 9 分
目次

「綿棒で耳掃除をすると、いつも湿った耳垢がつく」「家族はカサカサなのに自分だけベタついている」――。耳垢のタイプは人によって大きく異なり、ふとした瞬間に疑問や不安を抱く方は少なくありません。

実は、耳垢が湿っている現象には明確な科学的理由が存在します。生まれ持った遺伝子の働きから体質的な特徴、さらにはワキガとの密接な関係まで、解明されている事実は多岐にわたります。一方で、これまで乾燥していたのに急に湿り始めた場合や片耳だけが湿るケースでは、耳の病気や炎症が潜んでいる可能性も否定できません。耳垢が湿るメカニズムと正しい対処法を紐解きます。

【決定的な理由】耳垢が湿っている正体とは?ABCC11遺伝子と体質のメカニズム

耳垢湿っている

耳垢が湿っている状態は、医学的に「湿性耳垢(しっせいじこう)」または「軟性耳垢(なんせいじこう)」と呼ばれ、日常会話では「飴耳(あめみみ)」や「猫耳」と表現されることもあります。この違いを生み出す決定打となっているのが、「ABCC11」と呼ばれる遺伝子の型です。

耳の穴(外耳道)には、皮脂腺のほかに「アポクリン汗腺(耳道腺)」が存在します。ABCC11遺伝子が優性(顕性)のタイプを持つ人は、このアポクリン汗腺の活動が活発で、分泌物が豊富に出るため耳垢が湿り気を帯びます。逆に劣性(潜性)のタイプは分泌が少なく、乾燥した「乾性耳垢」になります。

日本人の人口比率で見ると、軟性耳垢の日本人割合は約16%前後と推計されており、日本国内では乾燥タイプが圧倒的多数派です。しかし世界規模で見ると状況は一変し、欧米の白人や黒人の約80〜90%以上が湿性耳垢です。湿っていること自体は異常でも疾患でもなく、人類の進化や地域適応の中で受け継がれてきた自然な遺伝形質の一つです。

【真相解明】湿性耳垢とワキガの関係性|なぜ関連が指摘されるのか

ネット上や口コミで頻繁に囁かれる「耳垢が湿っているとワキガになりやすい」という噂は、医学的エビデンスに基づく事実です。これには身体の汗腺構造が直接関係しています。

人間の体には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類が存在します。体温調節のために全身から出るサラサラした汗はエクリン汗腺から分泌されますが、特有のニオイの原因となる皮脂やタンパク質を含む汗を出すのがアポクリン汗腺です。このアポクリン汗腺は、脇の下や外陰部、そして耳の穴の中に集中して分布しています。

つまり、耳の中でアポクリン汗腺が活発に働いて耳垢が湿っている人は、脇の下のアポクリン汗腺も同様に発達している確率が極めて高いといえます。臨床データにおいても、ワキガ体質と診断される人の約8割〜9割以上が湿性耳垢であることが確認されています。

ただし、耳垢が湿っている人全員が強い体臭を放つわけではありません。皮膚常在菌のバランスや生活習慣、食生活によってニオイの強さは大きく左右されるため、「湿性耳垢=必ず重度のワキガになる」と過剰に不安視する必要はありません。

【要注意】「急に耳垢が湿ってきた」「片耳だけ湿る」時に疑うべき病気のサイン

生まれつき両耳が湿っている場合は体質ですが、注意が必要なのは「大人になってから急に耳垢が湿った」「片耳だけ湿っている」というケースです。遺伝的要因による耳垢の性質は生涯変わらないため、後天的な変化には局所的な炎症や疾患が隠れています。

特にワイヤレスイヤホンの長時間装用が日常化した近年、急増しているのが以下のトラブルです。

① 外耳道炎(がいじどうえん):
綿棒での擦りすぎやイヤホンの密閉による蒸れで外耳道の皮膚が傷つき、細菌感染を起こす病気です。初期はかゆみから始まり、進行するとズキズキとした痛みや黄色っぽい「耳だれ(分泌液)」が出て、耳垢が急に湿ったように感じられます。

② 外耳道真菌症(カビの感染):
耳の中にカビ(真菌)が繁殖する疾患です。強いかゆみと湿った耳垢、異臭を伴うのが特徴で、市販の点耳薬を自己判断で使うと悪化するリスクがあります。

③ 鼓膜炎・中耳炎:
鼓膜に穴が開いたり中耳で炎症が起きたりすると、膿が外耳道へ漏れ出て耳垢を湿らせます。片耳だけに強い湿り気やニオイ、難聴、耳の閉塞感がある場合は警戒が必要です。

【子どもの耳垢】赤ちゃんの耳垢がベタつく原因と親が知っておくべきポイント

乳幼児や小さな子どもの耳垢が湿っているのを見て、心配になる保護者は少なくありません。子どもの耳垢が湿る背景には、成長期特有の理由があります。

生後間もない赤ちゃんの場合、胎内で浸かっていた羊水や皮脂が耳の中に残っている影響で、一時的に耳垢がベタつくケースがあります。また、乳幼児は新陳代謝が非常に活発で皮脂の分泌量が多く、体温も高いため耳の中が蒸れやすい環境にあります。

子どもの耳垢タイプが生涯にわたる体質(湿性か乾性か)として確定するのは、アポクリン汗腺の働きが本格化する思春期前後です。乳幼児期に多少ベタついていても、成長とともに自然とカサカサした乾燥耳垢へと落ち着く例は珍しくありません。異臭がしたり、頻繁に耳を触って泣いたりしていなければ、過度にいじらず見守ることが基本です。

【プロ直伝】飴耳の正しい耳掃除と耳鼻科を受診する適切な頻度

湿性耳垢(飴耳)の方は、乾性耳垢の方に比べて耳垢が耳壁にへばりつきやすく、掃除の方法を誤るとトラブルを招きやすくなります。耳の健康を守るためのセルフケア鉄則を整理しました。

・綿棒を奥まで押し込まない
湿った耳垢を綿棒でかき出そうとすると、かえって耳垢を奥の鼓膜付近へ押し込んでしまい、「耳垢塞栓(耳垢が詰まって聞こえが悪くなる状態)」を引き起こします。セルフケアは「お風呂上がりに耳の入り口付近を優しく拭き取るだけ」に留めるのが鉄則です。

・耳かき棒(竹製・金属製)の使用は避ける
湿った耳垢に対して硬い耳かき棒を使うと、粘膜を傷つけて外耳道炎を誘発します。使用する場合はスパイラル型の柔らかい綿棒を選び、擦らず回転させて付着させる感覚で行います。

・耳鼻科でのプロによる耳掃除を活用する
湿性耳垢は自然排出されにくいため、定期的に耳鼻科で清掃してもらうのが最も安全です。受診頻度は「3ヶ月〜半年に1回程度」が目安となります。耳掃除だけでの受診は保険適用で認められており、医師専用の吸引管やピンセットで安全に除去してもらえます。

【耳垢が湿っている状態】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:湿った耳垢を毎日綿棒で掃除しても問題ありませんか?
A1:毎日の掃除は厳禁です。頻繁な耳掃除はデリケートな外耳道の皮膚を削り、慢性的な外耳道炎や耳垢の奥への圧入を招きます。ケアは週に1回程度、入り口周囲を軽く拭う程度に抑えてください。

Q2:大人になってから体質が変わって耳垢が乾燥することはありますか?
A2:遺伝によって決まっているため、本質的な体質が大人になってから湿性から乾性へ変化することはありません。ただし、加齢に伴いアポクリン汗腺の機能が低下することで、分泌物の量が減り湿り気が弱くなることはあります。

Q3:湿った耳垢からツンとした臭いがするのは病気ですか?
A3:アポクリン汗腺からの分泌物自体にある程度のニオイはありますが、腐敗臭や酸っぱい異臭が急に強くなった場合、外耳道真菌症や細菌感染による化膿が疑われます。早急に耳鼻咽喉科を受診してください。

耳垢が湿っている現象は、人類の遺伝的多様性に基づいた生理的な特徴であり、決して恥ずべきことや身体の異常ではありません。ワキガとの相関関係は高いものの、適切な衛生管理と正しい知識を持っていれば過度に恐れる必要はないといえます。

肝心なのは、「生まれつきの湿性耳垢」なのか、「炎症や感染による急激な変化」なのかを冷静に見極めることです。自己流の無理な耳掃除で外耳道を傷つける前に、気になる症状や違和感がある場合は、専門医である耳鼻咽喉科のサポートを受けながら適切なケアを続けましょう。

同じカテゴリの記事

黒田 大河
デジタルマーケター 黒田 大河
プロフィールを見る →

料金や営業時間は施設・店舗の公式発表を原則とし、口コミは傾向として扱います。数値は掲載前に公式ページで再確認します。

おすすめの関連記事