ホーム 芸能ニュース・ゴシップ お妾さんとは?愛人や側室との違い・歴史と現代の法律を徹底解説

お妾さんとは?愛人や側室との違い・歴史と現代の法律を徹底解説

白石 ひなた 白石 ひなた • 更新: • 公開: • 読了約 7 分
目次

時代劇や近代文学、古い家系図などで目にする「お妾(めかけ)さん」という言葉。現代では「愛人」とほぼ同義として使われがちですが、かつての日本においては単なる秘密の関係にとどまらず、法制度や社会規範の中に明確に組み込まれた歴史的背景を持っていました。

「なぜ昔は堂々と囲うことが許されていたのか」「大名や貴族の『側室』や現代の『愛人』とは何が違うのか」。知られざる手当の相場や本妻との関係性、さらに子どもへの相続権や現代の愛人契約にまつわる法的なリスクまで、その実態と変遷を紐解きます。

【基本解説】お妾さん(めかけ)の意味と歴史|なぜかつて「公認」されていたのか?

お妾さんとは

「妾(めかけ)」とは、婚姻関係にある男性が、本妻(正妻)とは別に経済的な扶養を行って囲っていた女性を指します。住まわせる専用の住居は「妾宅(しょうたく)」と呼ばれ、男性が生活費全般をまかなうことが通例でした。

歴史を遡ると、古代から一夫多妻的な慣習は存在していましたが、驚くべきは明治維新直後の制度設計です。明治3年(1870年)に制定された「新律綱領」において、政府は妾を「妻と同等の二親等の親族」として法的に認め、戸籍への登録すら可能にしていました。

家制度の安定や男子の跡継ぎ確保が国家の最優先課題であった当時、妾を持つことは財力と権力を持つ男性の「甲斐性(かいしょう)」として公に受け入れられていたのです。

【決定的な違い】お妾さんと「愛人」「側室」は何が違う?「二号さん」の由来も解説

混同されやすい「側室」「お妾さん」「愛人」ですが、その背景と目的を整理すると明確な違いが浮かび上がります。

側室は、武家や皇族・公家において「血統の維持と家の存続」を目的に迎えられた公的な副妻です。身分秩序の中に正式に組み込まれ、跡継ぎを産む重責を担っていました。

これに対し、お妾さんは身分制度が解体された近代以降、主に富裕層や政財界の有力者が経済的支援を前提に囲った女性です。公認・半公認のニュアンスが強く、周囲もその存在を認識しているケースが珍しくありませんでした。本妻を「一号」、妾を「二号さん」と呼ぶ俗称が生まれたのも、生活の面倒を丸ごと見る順位付けとしての認知があった裏返しです。

一方、現代の愛人は、完全に私的な男女関係であり、社会的な公認や制度的枠組みは一切存在しません。隠密性が高く、生活保障の義務も伴わない点が決定的な違いです。

【明治の転換点】なぜ妾制度は廃止されたのか?法律上の扱いの劇的変化

一時期は親族として公認されていた妾制度ですが、その命脈は長く続きませんでした。廃止へと舵を切った最大の引き金は、欧米列強への体面と不平等条約の改正です。

キリスト教的一夫一婦制を文明国の道徳的基準とする西洋諸国から、日本の妾制度は「野蛮で人権を無視した悪習」と痛烈な批判を浴びました。国際社会で近代国家として認められるため、日本政府は明治15年(1882年)の旧刑法施行によって妾の親族身分を剥奪します。

さらに明治31年(1898年)の明治民法において一夫一婦制が明確に規定されたことで、法的な妾制度は名実ともに完全廃止へ追い込まれました。

【気になるお金と関係性】お妾さんの手当相場と本妻とのリアルな関係

制度上は廃止された後も、昭和中期頃までは富裕層の間でお妾さんを囲う文化が実態として残り続けました。気になるその手当相場は、当時の一般的なサラリーマンの月給を遥かに凌ぐ水準でした。

妾宅となる一軒家や高級アパートの家賃、お手伝いさんの人件費、日々の生活費や着物代まで全額を負担するのが基本で、現代の貨幣価値に換算すれば毎月数十万〜数百万円規模の莫大な維持費がかかる特権階級の嗜みでした。

本妻と妾の関係性については、表向きは本妻の優位が保たれていたものの、家庭内での嫉妬や跡取りを巡る心理的確執は凄まじく、多くの小説やドラマの題材となるような複雑な力関係が渦巻いていました。

【法律と相続】子どもの相続権はどうなる?現代の「愛人契約」トラブルと判例

法律上、お妾さん本人には配偶者としての相続権は一切ありません。しかし、お妾さんが産んだ子ども(非嫡出子)の権利は時代とともに大きく前進しました。

男性が生前または遺言で「認知」していれば法的な親子関係が成立します。かつて民法は非嫡出子の法定相続分を嫡出子(本妻の子)の「2分の1」と定めていましたが、2013年の最高裁判所違憲決定を受け、法改正により現在では嫡出子と完全に同等の相続分が認められています。

なお、現代において「月々数十万円を支払う代わりに肉体関係を維持する」といった愛人契約(妾契約)を交わしても、民法90条の「公序良俗違反」に該当し法的には無効です。「約束の手当が支払われない」と裁判で請求しても棄却される判例が確立しているため、法的な保護を期待することはできません。

【お妾さんとは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:現代でも「お妾さん」を持つことは違法になりますか?
A1:刑罰として処罰される刑法上の罪にはなりませんが、婚姻関係にある配偶者に対する民法上の「不貞行為」に該当します。本妻側から高額な慰謝料請求を受ける確実な法的リスクを伴います。

Q2:認知されていない妾の子どもは遺産を相続できますか?
A2:父親から認知されていない場合、法律上の親子関係が存在しないため相続権はありません。ただし、父親の死後であっても3年以内であれば「死後認知の訴え」を起こして相続権を主張することが可能です。

Q3:「囲われ者」と「パパ活」はお妾さんと何が違いますか?
A3:お妾さんや囲われ者は特定の男性が生活の基盤全般(住居や継続的生計)を丸抱えする長期関係を指すのに対し、現代のパパ活は都度の条件交渉や食事・デート対価など短期的・流動的な取引性格が強い点に違いがあります。

かつて「家の繁栄」や「権力の象徴」として制度や社会に容認されていたお妾さんという存在。明治から現代へと至る法制度の変遷は、日本社会が個人の尊厳と一夫一婦制の平等を重んじる形へと成熟していった歩みそのものを物語っています。

歴史を知ることで、現代の家族法や男女トラブルの判例に息づく法意識のルーツがより深く見えてきます。

同じカテゴリの記事

白石 ひなた
トレンドリサーチャー 白石 ひなた
プロフィールを見る →

芸能・エンタメ取材7年。一次情報は事務所の公式リリースと本人の公式SNSに限定し、報道だけの情報は複数媒体の一致を確認してから扱います。

おすすめの関連記事