国内最大の指定暴力団「六代目山口組」が、結成から110年を超える歴史の中でかつてない組織の再編期を迎えています。2015年に勃発した神戸山口組との分裂抗争から10年以上の歳月が流れた現在、警察当局の徹底した取り締まりや暴力団排除条例の厳格化に伴い、組織の構造は劇的な変化を遂げました。
水面下で進められる直系組長(直参)の世代交代や組織のスリム化、そして頂点に君臨するツートップの強固な統制力など、その実態は外部からは極めて見えにくくなっています。本稿では、警察庁の公開資料や関係筋への取材動向をもとに、2026年最新の六代目山口組における組織図、執行部名簿、直系組織の勢力バランスを詳しく紐解いていきます。
【2026年最新】六代目山口組の最新組織図と執行部一覧の全貌

現在の六代目山口組において、組織の屋台骨を支えているのが「執行部」と呼ばれる最高幹部会です。かつてのような大人数による合議制から、迅速な意思決定と内部統制を重視したコンパクトな実力主義へと舵が切られています。
組織図の頂点には組長・司忍(篠田建市)が座し、実務および組織運営の全権を若頭・髙山清司が掌握する盤石の布陣が敷かれています。その下に舎弟頭、統括委員長、本部長、そして数名の若頭補佐が配置され、日常的な組織の統率や重要事案の処理にあたっています。
近年の人事動向で特筆すべきは、若頭補佐ポストの厳選配置です。三代目弘道会会長の竹内照明をはじめ、有力二次団体の首領が主要ポストを固めており、有事における機動性と鉄の結束を維持する構造が完成しています。かつて存在した派閥間の対立要因を排除し、上意下達の命令系統を極限まで研ぎ澄ました形といえます。
司忍組長の現在と髙山清司若頭の動向|盤石なツートップ体制の実態
長期政権を築く司忍組長は現在も精神的支柱として絶対的な権威を保ち続けています。神戸市灘区の本家を中心に、定例会や事始め式などの伝統的行事ではその姿が確認され、組員に対する象徴的な求心力はいささかも衰えていません。
一方、実質的な組織の司令塔として辣腕を振るうのが髙山清司若頭です。府中刑務所からの出所後、分裂抗争の収束に向けた強力な圧力と懐柔策を主導し、対立勢力の切り崩しを決定づけました。現在もその影響力は組織内外に広く及んでおり、人事権の掌握と信賞必罰の徹底によって、内部の動揺を一切許さない体制を維持しています。
高齢化が進む中、両首脳の健康状態や動静は警察当局も最大の関心を寄せる治安上の焦点です。しかし、日常の警備態勢や組織の引き締めを見る限り、指揮命令系統の綻びは見られず、むしろ後継体制を見据えた基盤整備を着々と整えている様子がうかがえます。
直参組織名簿と役職人事の変遷|舎弟頭・若頭補佐の最新配置
六代目山口組の屋根を支える直系組長、いわゆる「直参(じきさん)」の数は、時代の要請とともに激変しました。全盛期には100人近くに達していた直参名簿ですが、度重なる引退・除名・他界に伴う組織統合により、現在は40名前後にまで絞り込まれています。
この組織縮小は単なる衰退ではなく、警察の取り締まり対策と経費削減を意図した「筋肉質な体制への移行」という側面を持ちます。直参一人ひとりに課される上納金や会費の負担を平準化しつつ、統制の目を光らせやすくするための構造改革です。
現在の役職配置では、長年組織を支えてきた古参の親分衆が「舎弟」として大所高所から助言を行う一方、血気盛んな武闘派や実務派が「若頭補佐」としてブロック別の統括責任を担っています。東西の主要地域ごとに配置されたブロック長制度機能と相まって、本家の意向が末端の枝組織まで迅速に伝達される仕組みが強固に維持されています。
弘道会が握る圧倒的な主導権|傘下団体の勢力図と世代交代
六代目体制を語る上で欠かせないのが、司組長および髙山若頭の出身母体である「弘道会(名古屋)」の圧倒的な存在感です。現在も組織の中枢ポストや最重要拠点の警備・治安維持部門には、弘道会系の幹部が重用されています。
この「弘道会主導」の流れは、三代目弘道会を率いる竹内照明若頭補佐の求心力とともにさらに定着しました。資金力、動員力、情報収集能力のいずれをとっても他派を圧倒しており、事実上、六代目体制の強靱な推進力として機能しています。
ただし、組織内では弘道会一極集中に対する配慮も怠っていません。関西の名門組織や九州、中四国、関東の有力直参組織に対しても相応の処遇を与え、全方位的な結束を保つバランス感覚が発揮されています。幹部たちの世代交代も静かに進められており、50代から60代前半の実務派が次々と頭角を現しています。
神戸山口組との分裂抗争から現在まで|警察庁が注視する指定暴力団情勢
2015年8月に端を発した神戸山口組との分裂劇は、10年以上の年月を経て、結果として六代目側の圧倒的優勢という形で事実上の決着を見せつつあります。当初は勢力を拮抗させていた神戸側ですが、相次ぐ直系組長の離脱、内部対立、さらには絆會(旧任侠山口組)への再分裂などを経て、勢力は著しく減退しました。
警察庁が発表する最新の暴力団情勢報告でも、六代目山口組の構成員・準構成員数が一定の規模を維持しているのに対し、離脱勢力の構成員数は激減を続けています。現在も双方は「特定抗争指定暴力団」に指定されており、警戒区域内における5人以上の集合や事務所の使用が厳しく制限される警戒体制が続いています。
抗争激化を防ぐ警察当局の徹底包囲網により、派手な衝突事件は大幅に抑え込まれています。しかし、対立勢力の完全解散や組員個人の引退手続きを巡る火種は完全に消え去ったわけではなく、水面下での緊迫した情報戦が現在も繰り広げられています。
歴代組長に見る山口組100余年の変遷|初代から六代目への軌跡
現在の組織構造を深く理解するためには、港湾労働者の供給組織から出発した山口組の歴史的変遷を知る必要があります。初代・山口春吉が神戸で立ち上げた小さな団体は、三代目・田岡一雄の時代に全国展開を果たし、日本最大の組織へと飛躍しました。
歴代の組織変遷を大まかに整理すると、以下の流れに集約されます。
- 初代(山口春吉):神戸港を拠点に沖仲仕を束ね、組織の礎を築いた黎明期。
- 二代目(山口登):芸能興行や浪曲興行などへ進出し、基盤を拡大。
- 三代目(田岡一雄):類まれな統率力で全国進出を果たし、組員数万人規模の巨大組織へ育成。
- 四代目(竹中正久):山一抗争の渦中で凶弾に倒れるも、武闘派としての存在感を刻む。
- 五代目(渡辺芳則):山健組を中核に据え、経済バブル期に乗って空前の資金力を誇る。
- 六代目(司忍):名古屋・弘道会を軸に、組織の近代化・規律強化と統制の再構築を推進。
五代目時代の膨張と緩やかな合議制から、六代目体制における厳格な規律主義への回帰こそが、現代の組織図を読み解く最大のカギとなっています。
【六代目山口組の組織図】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:六代目山口組の現在の組員数はどのくらいですか?
A1:警察庁の最新統計によると、構成員および準構成員を合わせた総数は約7,000人から8,000人規模と推計されています。暴力団排除条例の影響で全体的な減少傾向は続いているものの、依然として国内最大勢力を維持しています。
Q2:直参(直系組長)になるにはどのような条件が必要ですか?
A2:傘下の二次団体で実績を積み、組長から「盃」を受けて親子・兄弟の縁を結ぶ必要があります。近年は組織のスリム化方針により、新規の直参取り立ては非常に厳格化されており、空席が出ても統合・整理されるケースが目立ちます。
Q3:神戸山口組との分裂抗争は完全に終結したのですか?
A3:警察当局による「特定抗争指定」が継続されている通り、法的には抗争状態が続いています。ただし実態としては、六代目側の圧倒的優位によって大規模な衝突は沈静化しており、神戸側の自発的解散や引き際をめぐる駆け引きの段階に入っています。
2026年現在の六代目山口組は、司忍組長と髙山清司若頭のツートップによる強力なグリップのもと、徹底したスリム化と弘道会を中心とする鉄の結束を維持しています。直参人数の半減やブロック制の機能強化は、警察当局の厳しい包囲網を生き抜くために選んだ必然の防衛策といえます。
しかし、トップ層の高齢化という避けられない現実と、使用者責任訴訟による巨額賠償リスクは、組織の将来に重い影を落とし続けています。強固な統制力を保ちながら、いかにして次代への権力継承を無血で成し遂げるのか――。再編が進む組織図の裏側で、日本最大の組織は今、歴史的な分岐点に立たされています。