大相撲の第73代横綱として角界に君臨し続ける照ノ富士春雄。両膝の重傷や内臓疾患による序二段陥落から奇跡の復活を遂げ、綱を締めた不屈の男に、再び「現役引退」の足音が近づいているのではないかとファンの間で大きな注目が集まっています。
本割での圧倒的な強さを見せる一方で、度重なる途中休場や場所前の稽古不足が報じられるたびに浮上する照ノ富士の進退問題。本稿では、気になる肉体の限界値から引退後の親方襲名計画、さらには今後の土俵人生の行方まで、相撲記者の視点から解説します。
【真相究明】照ノ富士の引退説は本当か?ささやかれる理由と土俵際の攻防
相撲ファンの間で定期的に飛び交う「照ノ富士 引退」の噂ですが、結論から言えば、即座の電撃引退が決定しているわけではないものの、いつ土俵を去ってもおかしくない綱渡りの状況が続いています。ファンの間で引退説が急速に広まった最大の要因は、出場した場所での途中休場の多さと、横綱審議委員会からの厳しい指摘にあります。
大相撲の最高位である横綱には「負け越し」による陥落が存在しないため、成績不振や長期休場が続いた場合に残された道は現役引退しかありません。土俵に上がれば圧倒的な地力で白星を重ねるものの、十五日間を皆勤して優勝争いを演じる体力を維持することが年々過酷になっているのが、照ノ富士の現在の状況における偽らざる真実です。
「土俵に上がる以上は無様な相撲は見せられない」という横綱としての強い誇りと責任感が、自らの進退判断を極めてシビアなものにしています。
両膝の深刻な怪我と糖尿病治療|休場理由から見る肉体の限界値
照ノ富士が直面している最大障壁は、長年苦しめられてきた下半身の故障です。特に両膝の前十字靭帯損傷および半月板損傷は極めて深刻で、現在も頑丈なサポーターやテーピングなしでは稽古すらままならない状態が続いています。
さらに肉体を蝕んでいるのが持病の存在です。主な照ノ富士の休場理由を振り返ると、膝の激痛に加えて糖尿病の治療やC型肝炎の克服など、内臓系の疾患との闘いが常に影を落としてきました。血糖値の急激な変動は筋肉の疲労回復を遅らせ、過酷な本場所を乗り切るためのコンディション調整を極端に難しくしています。
医師やトレーナーの手厚いサポートを受けながら極限の肉体管理を続けているものの、土俵上で200kg近い巨漢同士が激突する衝撃は凄まじく、古傷の膝への負担は限界点に達しつつあります。
幕内最高優勝10回の金字塔|序二段からの奇跡の復活と歴代成績
満身創痍の中で彼が残してきた足跡は、相撲史に永遠に刻まれるべき偉業です。大関から大怪我と病気で序二段48枚目まで転落しながら、そこから這い上がって横綱まで上り詰めたストーリーは、前代未聞の奇跡として語り継がれています。
これまでに積み上げた照ノ富士の幕内最高優勝成績は通算10回。平成以降の大相撲界を見渡しても、二桁の賜杯を抱いた力士は数えるほどしか存在しません。特に令和の土俵において、一人横綱として重圧を背負いながら若手の壁となり続けた功績は計り知れないものがあります。
この輝かしい実績があるからこそ、相撲協会やファンも単なる一力士としてではなく、歴史的大横綱の最後の花道としてその進退を温かく、かつ固唾をのんで見守っているのです。
日本国籍取得と年寄名跡の確保|引退後の親方襲名・伊勢ヶ濱部屋の継承シナリオ
引退後の身の振り方に関して、制度的な懸念事項はすでにクリアされています。照ノ富士は2021年に日本国籍の取得(帰化)を完了しており、大相撲の親方として日本相撲協会に残るための必須条件を満たしています。
引退後の具体的なポストとしては、所属する伊勢ヶ濱部屋の継承問題が直結しています。師匠である元横綱・旭富士(伊勢ヶ濱親方)の定年退職を見据え、照ノ富士が指導者として部屋の看板を引き継ぐ体制づくりが着々と進められてきました。
すでに年寄名跡の取得に関する道筋も固まっており、現役引退と同時に親方襲名を行い、後進の育成にあたる未来予想図は関係者の間でも既定路線として認識されています。横綱として培った卓越した相撲理論と不屈のメンタルを弟子たちに伝える指導者としての期待は、現役時代に勝るとも劣りません。
横綱の引退時期と断髪式の見通し|土俵生活の集大成を迎えるタイミング
相撲関係者の間で焦点となっているのが、具体的な横綱の引退時期です。後継者となる新横綱や新大関の台頭状況、そして本人の体調が完全に限界を迎えるタイミングが引き金になると見られています。
もし引退を決断した場合、両国国技館で執り行われる照ノ富士の断髪式は、近年稀に見る大規模なセレモニーになることは間違いありません。政財界や芸能界をはじめとする各界の著名人、そして長年支え続けた熱狂的なファンが集い、不屈の大横綱の髷(まげ)にハサミを入れる歴史的な一日となるはずです。
本場所ごとに訪れる「これが最後の場所になるかもしれない」という緊張感こそが、現在の照ノ富士の土俵に独特の凄みと感動を与えています。
【照ノ富士の引退】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:照ノ富士が休場を繰り返している一番の理由は何ですか?
A1:慢性的な古傷である両膝の半月板・靭帯損傷の悪化と、長期にわたる糖尿病の治療・体調管理が主な休場理由です。激しい相撲を取るための十分な筋力と可動域を維持することが難しくなっており、万全の状態を作れない場所はやむを得ず休場を選択しています。
Q2:引退後は日本相撲協会に残って親方になれますか?
A2:はい、確実に残ることができます。照ノ富士は2021年に日本国籍を取得(帰化)しており、親方になる法的要件を満たしています。すでに年寄名跡の手続きも視野に入っており、引退後は伊勢ヶ濱部屋の指導者として後進を育てる道が確立されています。
Q3:横綱としてこれまでに何回優勝していますか?
A3:幕内最高優勝は通算10回を数えます。序二段まで陥落した力士が横綱へ昇進し、二桁優勝を達成した事例は相撲の歴史上ほかに例がなく、歴代屈指の名横綱として記録されています。
度重なる大怪我や病魔をねじ伏せ、土俵に君臨し続けてきた第73代横綱・照ノ富士。その現役生活が終盤に差しかかっていることは紛れもない事実ですが、彼が見せてくれた「諦めない心」はすでに多くの人々に勇気を与えました。
満身創痍の体で土俵に上がり続ける現役横綱の最後の勇姿を目に焼き付けつつ、指導者・親方として大相撲の次代を創り出す新たなチャプターの幕開けを静かに待ちたいところです。