ホーム 芸能ニュース・ゴシップ 「提出させていただきます」は間違い?失礼にならない敬語と言い換え術

「提出させていただきます」は間違い?失礼にならない敬語と言い換え術

夏目 恋 夏目 恋 • 更新: • 公開: • 読了約 11 分
目次

毎日の業務連絡や採用選考のやり取りで、何気なく使っている「提出させていただきます」というフレーズ。実は、受け手によっては「くどい」「押しつけがましい」と違和感を抱かれるケースが少なくありません。良かれと思って選んだ丁寧な言葉遣いが、思わぬところで相手に窮屈な印象を与えてしまうリスクを孕んでいます。

文化庁の敬語指針に基づくと、「〜させていただく」という表現には明確な使用条件が存在します。文法的な正しさだけでなく、ビジネス現場での実際の受け取られ方を把握しておくことが、円滑なコミュニケーションの鍵となります。本稿では、気になる二重敬語の真相からスマートな言い換え表現、コピペで活用できる実践メール例文までを詳しく紐解いていきます。

【敬語の真相】「提出させていただきます」は失礼?二重敬語の誤用疑惑を検証

提出させていただきます

日常のメールで頻繁に目にする「提出させていただきます」ですが、ネット上やマナー本では「失礼にあたる」「誤用ではないか」といった議論が度々巻き起こります。まず文法的な構造を分解すると、動詞「提出する」に、使役の助動詞「させて」、そして謙譲語である「いただく」、丁寧語の「ます」が組み合わさった形です。

ここで気になるのが「二重敬語にあたるのではないか」という疑問です。二重敬語とは「お読みになられる」のように、1つの語に同じ種類の敬語を重ねてしまう誤りを指します。しかし、「提出させていただきます」は使役+謙譲語+丁寧語の接続であるため、文法上は二重敬語ではありません。文法的に間違っていないにもかかわらず失礼と感じられる背景には、文化庁が定める「させていただく」の成立条件が関係しています。

敬語の指針において「させていただく」は、「相手の許可を受けていること」と「それにより自分が恩恵を受けること」という2つの要素を満たす場合に使うのが適切とされています。あらかじめ期日が決まっている定例報告書の提出など、相手の許可を伴わないルーティン業務でこの言葉を使うと、「自分の行動を許可制にして恩恵を強調している」ように映り、過剰で慇懃無礼な響きを与えてしまうのが違和感の正体です。

「提出いたします」と「提出させていただきます」の違いと使い分けの基準

では、最も自然で相手に好印象を与える言葉選びとはどのようなものでしょうか。その答えとなるのが「提出いたします」との使い分けです。

「提出いたします」は、動詞「提出する」に謙譲語「いたす」と丁寧語「ます」を組み合わせた極めてシンプルで品格のある表現です。相手の許可を前提とせず、「自分の意志で改まって提出する」という事実をまっすぐに伝えることができます。社内の日報提出や、あらかじめ依頼されていた請求書の送付など、一般的なビジネスシーンの9割以上は「提出いたします」で過不足なく敬意が伝わります。

一方で「提出させていただきます」が真価を発揮する場面もあります。例えば、締め切り前に自主的に先行してデータを共有する場合や、相手から「下書きができたら一度見せてほしい」と個別に許可を得ている場合です。相手の配慮や恩恵に対する感謝が含まれる文脈においては、「提出させていただきます」を用いることで、より謙虚で丁寧なニュアンスを届けることが可能です。

【相手別】上司・取引先・就活(履歴書)で好印象を残す言い換えテクニック

敬語表現は、相手との立ち位置や心理的距離感によって最適解が変わります。シーン別にスマートな言い換えパターンを押さえておくと、ビジネスメールの作成スピードと質が飛躍的に向上します。

1. 社内の上司や先輩に対して
社内コミュニケーションでは、スピード感と簡潔さが重視されます。過度にへりくだった「提出させていただきます」よりも、「提出いたします」「提出いたしましたので、ご確認のほどよろしくお願いいたします」と伝えるのが最もスマートです。確認作業を急ぎでお願いしたい場合は、「お忙しいところ恐縮ですが、ご査収いただけますと幸いです」と添えると配慮が伝わります。

2. 社外の取引先・クライアントに対して
取引先への提出物は、契約書や企画提案書など重要な書類が多くなります。単に提出することを伝えるだけでなく、「お送りいたします」「ご査収のほどお願い申し上げます」「ご提出申し上げます」といった格調高い謙譲表現に言い換えることで、ビジネスパーソンとしての信頼度を底上げできます。

3. 就職・転職活動で採用担当者へ履歴書を送る場合
履歴書や職務経歴書をメールに添付する際、「履歴書を提出させていただきます」と記載する就活生や求職者は非常に多いです。間違いではありませんが、採用現場でより洗練された印象を与えるなら「応募書類一式を提出いたします」「履歴書を添付にてお送りいたしますので、ご査収いただけますと幸いです」と書くのがおすすめです。すっきりとした文章構成は、論理的思考力やビジネススキルの高さの証明にもなります。

【コピペで使える】ビジネスメール実践例文集(社内・社外・採用選考)

実際のビジネスシーンでそのまま応用できる実践的なメール文面を、3つのシチュエーション別に紹介します。

▼ パターン1:社内の上司へ月次レポートを提出する場合

件名:【提出】4月度月次営業レポート(営業部・山田)

佐藤課長
お疲れ様です。営業部の山田です。

ご指示いただいておりました4月度の月次営業レポートを作成いたしましたので、
添付にて提出いたします。

お忙しいところ恐れ入りますが、内容をご確認いただけますと幸いです。
修正点などがございましたら、ご指示のほどよろしくお願い申し上げます。

▼ パターン2:社外の取引先へ見積書を提出する場合

件名:【お見積書ご送付】新規システム開発案件につきまして(株式会社〇〇・山田)

〇〇株式会社
営業推進部 鈴木様

いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の山田でございます。

先日ご相談いただきました新規システム開発案件につきまして、
お見積書を作成いたしましたので、添付ファイルにてご提出申し上げます。

ご不明な点や仕様のご要望などがございましたら、いつでもお気軽にお申し付けください。
ご査収のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

▼ パターン3:中途採用の応募先へ履歴書・職務経歴書を送付する場合

件名:中途採用応募の件(応募書類提出/山田太郎)

〇〇株式会社
採用担当 人事部ご担当者様

はじめまして。貴社の中途採用求人を拝見し、応募いたしました山田太郎と申します。

指定の応募書類(履歴書および職務経歴書)をPDF形式にて添付し、
提出いたしますので、ご査収いただけますようお願い申し上げます。

私のこれまでの経験が貴社の事業推進に貢献できるものと考えております。
ご多忙の折、誠に恐縮ではございますが、面接の機会をいただけますと幸甚に存じます。
何卒よろしくお願い申し上げます。

グローバルビジネスで役立つ!「提出させていただきます」の英語表現

外資系企業や海外クライアントとのやり取りにおいて、「提出させていただきます」のニュアンスを英語で伝えたい場面も増えています。英語には日本語のような複雑な上下関係の謙譲システムはありませんが、丁寧なトーンを保ちつつシンプルに伝える表現が好まれます。

最も汎用性が高くビジネスで標準的に使われる動詞は "submit" や "send"、添付を強調する "attach" です。以下のようなフレーズを覚えておくとスムーズです。

  • I am submitting the weekly report for your review.(週次レポートを提出いたしますので、ご確認をお願いいたします)
  • Please find attached the requested proposal.(ご依頼いただきました企画書を添付にて提出いたします/お送りいたします)
  • I would like to submit my resume for the marketing position.(マーケティング職への応募にあたり、履歴書を提出させていただきます)

過度に形式ばることなく、"Please find attached〜" や "I am pleased to submit〜" などの表現を使うことで、プロフェッショナルかつ誠実な姿勢を相手に届けることができます。

【提出 させ て いただき ます】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:「提出させていただきます」を使うと怒られることはありますか?
A1:文法的に破綻しているわけではないため、理不尽に怒られる可能性は極めて低いです。ただし、文章全体の語尾が「〜させていただきます」ばかりになっていると、「読みにくい」「回りくどい」と評価を下げてしまう原因になります。全体のバランスを見ながら「提出いたします」を主軸にするのが賢明です。

Q2:締め切りを過ぎて遅れて提出する場合の正しい敬語は何ですか?
A2:遅延が発生している場面では、言い訳がましく響く「させていただきます」よりも、真摯なお詫びとともに「大変お待たせいたしました。遅れておりました資料を提出いたします」と潔く伝えるのが適切です。まずは遅れに対する謝罪を一文添えることが最優先のマナーです。

Q3:「ご提出いたします」という言い方は正しい敬語ですか?
A3:こちらは誤用にあたるため注意が必要です。「ご(お)」を自分の動作につけて「いたします」と繋ぐ形は、相手を立てるべき場面で自分の行為を過剰に美化してしまう不自然な表現になります。自分の行為には「提出いたします」「ご提出申し上げます」のいずれかを選択しましょう。

敬語の目的は、形式的なルールを守ることそのものではなく、相手に対する敬意と配慮をストレスなく伝えることにあります。「提出させていただきます」という言葉自体が悪天候のようなタブーというわけではありませんが、過剰な使用はかえってメッセージの本質をぼやけさせてしまいます。

日頃のメールでは、簡潔で品のある「提出いたします」を基本軸とし、相手の厚意や許可がある場面でピンポイントに「提出させていただきます」を織り交ぜる。この柔軟な使い分けこそが、相手に心地よさと信頼感を与える大人のビジネスマナーです。ぜひ今日からのメール作成に役立ててみてください。

同じカテゴリの記事

夏目 恋

リーグ公式記録とクラブ発表を出典とし、選手の発言は会見の逐語録に基づいて引用します。確認できない噂は扱いません。

おすすめの関連記事