未曾有の災害に襲われた都市からの脱出を描き、唯一無二のサバイバル・アクションアドベンチャーとして熱狂的なファンを獲得してきた『絶体絶命都市』シリーズ。そのナンバリング第4弾として登場した『絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-』は、約7年におよぶ紆余曲折の開発休止期間を経て奇跡の復活を遂げたタイトルでした。
しかし、いざ蓋を開けてみるとユーザーやメディアからの評価は真っ二つに割れ、ネット上では「ひどい」「期待外れのクソゲー」といった厳しい声が噴出する事態となりました。長年待ち望んだファンを失望させた決定的な要因は何だったのか、技術面・シナリオ面・開発経緯から多角的に検証します。
【発売中止から奇跡の復活】グランゼーラが辿った波乱の開発経緯
本作の評価を読み解くうえで外せないのが、前代未聞とも言える発売中止と再出発の経緯です。もともとはアイレムソフトウェアエンジニアリングより2011年春にPlayStation 3向けタイトルとして発売される予定でした。しかし、発売直前に発生した東日本大震災の影響を受け、当時の社会的配慮から異例の発売中止が決定されます。
シリーズの生みの親である九条一馬氏らはその後独立し、新会社グランゼーラを設立。2014年末に版権を取得し、プラットフォームをPlayStation 4に変更して再始動を発表しました。ファンにとって「幻の名作がついに遊べる」という熱狂を生んだ一方で、開発規模に対してハードルの高すぎるリブート作業が、後のクオリティ管理に重い影を落とすことになります。
【決定的な理由】「ひどい」「クソゲー」と炎上した技術的欠陥の数々
発売直後からプレイヤーを直撃したのは、次世代ゲーム機向けとは思えない技術面・システム面の未完成さでした。特に批判が集中した要点は以下の通りです。
まず挙げられるのが、画面が激しくカクつく深刻な処理落ちとフレームレートの極端な低下です。崩壊するビル群や炎上シーンといった見せ場で動作が著しく重くなり、アクションや移動の快適性が損なわれました。加えて、マップ切り替え時の長いロード時間、オブジェクトのすり抜けやイベントが進行しなくなる多数のバグが頻発し、ユーザーの没入感を削ぎ落としました。
前作までにあった「体温」や「喉の渇き」といったサバイバル要素が簡略化され、代わりに導入された「排泄欲求」などの新パラメーターがゲームプレイにほとんど寄与しないなど、ゲームデザインとしての練り込み不足も悪評に拍車をかけました。
ストーリーがひどいと物議を醸した「悪趣味な人間ドラマ」の正体
シリーズファンが最も落胆した要因の一つが、シナリオの方向性です。過去作では「極限状態における人命救助や協力、脱出への希望」が主軸に置かれていましたが、本作では人間の醜悪さや悪意を誇張した胸糞の悪い展開が目立ちます。
怪しげなカルト宗教による洗脳、災害に乗じた詐欺や暴力、性的な危難を匂わせる悪趣味なイベントなど、後味の悪いシチュエーションが連続します。また、プレイヤーが選べる豊富な選択肢もストーリー展開にほとんど影響を与えず、単なる「悪ふざけ」で終わるケースが散見されました。防災監修を謳いながらも、実際の災害時におけるリアルな心理描写とはかけ離れた展開に対し、「ストーリーがひどい」「求めていたのはこれじゃない」と強い反発が起きました。
ネットの反応と国内外レビュー|メタスコアやSwitch版の評価
こうした完成度を受け、国内外のゲームレビューやメタスコアにも厳しい数値が並びました。海外レビュー集積サイトのメタスコアは50点台から60点台前半と低調な結果に留まり、「技術的な野心に開発力が追いついていない」と冷静に分析されています。
ネット上の掲示板やSNSでは、「待たされた年数を考えると残念すぎる」「防災ゲームではなく悪趣味なアドベンチャーになってしまった」という辛辣な意見が溢れました。後発でリリースされたNintendo Switch版の評価においても、ハード性能の制約からPS4版以上に解像度の低下や処理落ちが目立ち、携帯機で遊べるメリット以上にパフォーマンス面での不満が噴出することになりました。
再評価の余地はあるか?VRモードの没入感と災害描写の光
一方で、本作がすべてにおいて否定されているわけではありません。一部のユーザーからは、限定的ながらポジティブな評価も寄せられています。
特に高く評価されたのがPlayStation VR専用モードです。倒壊するビルや落下してくる看板、周囲のパニックを等身大の視点で体感できる体験は、VRならではの圧倒的な恐怖と臨場感を生み出し、これまでにない防災体験コンテンツとしての価値を示しました。
また、消防庁や防災専門家の協力によって収録された「防災マニュアル」の充実度や、日本の実在する街並みをリアルに再現したアセットのディテールなど、細部のこだわりには光るものがありました。それだけに、メインゲーム全体の粗削りさが惜しまれる結果となったと言えます。
【絶体絶命都市4 ひどい】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:アップデートパッチで処理落ちやバグは改善されましたか?
A1:発売後に複数回のアップデートが配信され、進行不能になる致命的なバグや極端なフレームレート低下はある程度緩和されました。ただし、根本的なエンジン設計やロード時間の長さ、群衆表示時の処理落ちなどは完全には解消されていません。
Q2:PS4版とSwitch版のどちらを買うべきですか?
A2:プレイ環境が選べるのであれば、フレームレートや描画の安定性が比較的高いPS4版(またはPS5での後方互換プレイ)をおすすめします。Switch版は携帯できる利点があるものの、グラフィックの粗さやフレームレートの低下がより顕著です。
Q3:シリーズ未経験者が今からプレイしても楽しめますか?
A3:過去作との直接的なシナリオの繋がりは薄いため、単体として遊ぶことは可能です。ただし、本格的な災害サバイバルアクションを期待すると肩透かしを食らう可能性があるため、B級コメディや個性的なADVとして割り切って触れる姿勢が大切です。
『絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-』が「ひどい」と酷評された最大の要因は、幾多の困難を乗り越えて発売されたことで過熱した期待と、技術的・シナリオ的な完成度のギャップにありました。
未曾有の災害をテーマにする難しさ、ハード世代交代に伴う開発規模の肥大化など、数々の教訓を残した本作。唯一無二のコンセプトを持つシリーズだからこそ、多くの課題を乗り越えた次回作での真の復権に期待が寄せられています。