警視庁のトップである第89代警視総監を務め上げ、退官後には警察官僚出身として極めて異例となる駐ミャンマー特命全権大使に抜擢された樋口建史氏。首都東京の治安維持を担う最高責任者から、国際外交の最前線へと転身したそのキャリアは、官僚界でも屈指の異色さと存在感を誇ります。
激動の現場を幾度もくぐり抜けてきた同氏が、官界を離れた今どのような舞台で活動しているのか。これまでの華麗な経歴や卓越した功績、知られざるエピソードとともに、現在の役職や最新動向を詳しく追跡します。
【プロフィールと学歴】東大法学部から警察キャリアの最高峰へ

樋口建史氏は1953年(昭和28年)愛媛県生まれ。秀才が集う愛媛県立松山東高等学校を経て、東京大学法学部へ進学しました。1978年4月に警察庁へ入庁し、警察官僚(キャリア組)としての道を歩み始めます。
警察庁入庁後は、警視庁捜査第二課長、警察庁刑事局刑事企画課長、警視庁生活安全部長、山形県警察本部長、警察庁交通局長など、捜査・企画・管理部門の要職を歴任。事件捜査の現場感覚と組織マネジメントの双方に精通した警察官僚として、着実に評価を高めていきました。
【警視総監としての功績】震災後の首都防犯と暴力団排除を牽引
樋口氏が第89代警視総監に就任したのは2011年(平成23年)8月のことです。同年3月に発生した東日本大震災の余波が残り、首都圏のインフラや防犯体制の再構築が急務となっていた極めて困難な時期でした。
就任期間中、樋口氏は首都東京の治安強化だけでなく、当時社会問題化していた暴力団排除条例の施行と定着に注力。反社会的勢力への資金源遮断を断行し、組織犯罪対策を大きく前進させました。また、大規模災害を見据えた初動対応体制の抜本的な見直しや、繁華街の健全化など、市民生活の安全を支える強固な基盤を整備した実績は今も高く評価されています。
【異例のミャンマー大使就任】警察官僚から外交最前線へ転身した真相
2013年1月に警視総監を退任した樋口氏ですが、翌2014年4月に大きなサプライズが待っていました。駐ミャンマー特命全権大使への任命です。警察官僚出身者が主要国の大使に就任することは極めて珍しく、当時の政官界で大きな話題を呼びました。
当時、ミャンマーは軍政から民政移管が進み、急速な経済成長と民主化の途上にありました。治安維持や法制度整備、インフラ開発支援など、日本政府が多角的な支援を展開する局面において、樋口氏の持つ卓越した統率力と危機管理能力が強く求められた形です。現地では政府高官やアウンサンスーチー氏らと精力的に対話を重ね、両国の友好関係深化に決定的な役割を果たしました。
【樋口建史の現在】大手企業の社外取締役や顧問としての活動状況
大使の任務を終えて帰国した樋口氏は、警察組織や外交のトップとして培った卓越した危機管理能力とガバナンスの知見を活かし、民間経済界へとフィールドを広げました。
これまでに第一三共株式会社、日清製粉グループ本社、オリックス銀行などの大手企業で社外取締役や監査役を歴任。企業のコンプライアンス体制強化、地政学リスクへの対応、コーポレートガバナンス改革の現場で実務的な助言を行っています。現在も複数の企業や公益団体の役員・顧問として、組織のリスクマネジメントや持続的成長を支える重責を担っています。
【著書と提言】現場主義が生んだ知見と国際社会への眼差し
樋口氏は自身の外交経験と洞察をまとめた著書『ミャンマーの夜明け』(文藝春秋)を上梓しています。激動のミャンマーで実際に何が起きていたのか、国際情勢のリアルと日本が果たすべき役割を現場目線で克明に描き、外交・アジア情勢に関心を持つビジネスパーソンや研究者から高い支持を集めました。
警察組織の現場統率から国際舞台での交渉まで、一貫して「現場第一主義」を貫いてきた樋口氏の言葉には、机上の空論ではない説得力があります。現在も経済安全保障や危機管理をテーマにした講演会などで、貴重な示唆を発信し続けています。
【評判と評価】政官財に広がる信頼とネット上の反応
ネット上やビジネス関係者の間では、樋口氏のキャリアに対して「警察トップから大使、そして大手企業の社外取締役という類まれなキャリア」「冷静沈着で危機管理能力が非常に高いリーダー」といったポジティブな声が多く見受けられます。
特に、不祥事防止やコンプライアンスが厳しく問われる現代の企業経営において、警察最高幹部としての厳格な倫理観と、大使としてのグローバルな視野を兼ね備えた樋口氏の手腕は、財界からも厚い信頼を寄せられています。
【樋口建史】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:樋口建史氏の出身大学と経歴は?
A1:愛媛県出身で東京大学法学部を卒業後、1978年に警察庁へ入庁しました。警視庁刑事部長、警視総監などを歴任した警察官僚のトップランナーです。
Q2:警察官僚からミャンマー大使に転身したのはなぜですか?
A2:民主化と経済開放が進んでいた当時のミャンマーにおいて、法制度整備や治安維持、大規模プロジェクトの危機管理を強力に推進できるリーダーシップが評価され、民間登用枠として異例の抜擢を受けました。
Q3:樋口建史氏は現在どのような活動をしていますか?
A3:第一三共や日清製粉グループなどの社外取締役を務めた経験を持ち、現在は大手上場企業のコーポレートガバナンスや危機管理アドバイザーとして民間ビジネス界で精力的に活動しています。
第89代警視総監として首都東京の安全を守り抜き、駐ミャンマー大使として国際協調の架け橋となった樋口建史氏。警察行政と外交という2つの異なる国家中枢で発揮された手腕は、現在も民間企業のガバナンス強化やリスクマネジメントの現場で高く評価されています。
不確実性が高まる現在、現場主義と国際感覚を併せ持つリーダーの存在感はますます高まっており、今後も多方面での活躍が注目されます。