日本人として2人目となる国際宇宙ステーション(ISS)船長(コマンダー)を務め、日本の宇宙開発を牽引し続けてきたJAXA宇宙飛行士・星出彰彦氏。スペースシャトル、ソユーズ、そして民間宇宙船クルードラゴンと、3つの異なる宇宙船で計3回の宇宙飛行を成し遂げた実績は、世界の有人宇宙飛行の歴史においても際立った存在感を放っています。
通算の宇宙滞在期間は340日を超え、日本人最多となる4回・通算28時間17分におよぶ船外活動(EVA)を成功させるなど、名実ともにトップランナーとして走り続けてきた星出氏。アルテミス計画によって人類が再び月を目指す新たなフェーズを迎えた現在、ベテラン飛行士としてどのような役割を担い、次世代へ何をつなごうとしているのか。その華々しい経歴や知られざる学歴、家族の素顔、気になる待遇面まで、徹底的に深掘りします。
【2026年最新】星出彰彦の現在の活動とJAXAでの新たな役割

星出彰彦氏は現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のシニア宇宙飛行士として、有人宇宙探査の最前線で極めて重要なミッションを担っています。自らの宇宙飛行経験を還元するだけでなく、日米が主導する月探査「アルテミス計画」に向けた国際調整や、次世代宇宙飛行士の訓練支援に深く関わっています。
特に、2023年に新たにJAXA宇宙飛行士候補者として選抜され、基礎訓練を終えた諏訪理氏や米田あゆ氏ら後進のメンターとしての役割は大きく、過酷な閉鎖環境や国際チームでのリーダーシップに関するノウハウを伝承しています。地上からのミッション管制を支えるキャプコム(宇宙船交信担当)や技術評価の現場において、スペースシャトルから最新の民間宇宙船までを知り尽くす星出氏の知見は、国内外の宇宙機関から絶大な信頼を寄せられています。
輝かしい経歴と宇宙滞在記録|日本人2人目のISS船長就任の軌跡
星出氏のキャリアを振り返ると、日本の有人宇宙開発の発展と完全に軌を一にしていることが分かります。1992年に旧宇宙開発事業団(NASDA)に入社後、技術者として日本実験棟「きぼう」の開発や宇宙飛行士の訓練プログラム開発に従事。1999年に宇宙飛行士候補者として選抜されました。
これまでに経験した3度の宇宙飛行は、いずれも歴史的な節目となっています。
- 2008年(STS-124 / ディスカバリー号):「きぼう」船内実験室をISSに取り付ける重要任務を担当。ロボットアームを巧みに操作し、日本の宇宙拠点を完成へと導きました。
- 2012年(ソユーズTMA-05M / 第32次・第33次長期滞在):約124日間の長期滞在を実施。故障したISSの電力制御装置を歯ブラシなどの身近な道具を工夫して修理する伝説的な船外活動を成功させました。
- 2021年(クルードラゴン「エンデバー」 / 第65次・第66次長期滞在):日本人として若田光一氏に次ぐ2人目のISS船長(コマンダー)に就任。多国籍クルーを卓越した包容力と決断力でまとめ上げ、約199日間の滞在を完遂しました。
通算の宇宙滞在期間は340日11時間9分に達し、過酷な宇宙環境への適応力とタフな精神力は世界屈指と評されています。
知られざる学歴と生い立ち|国際感覚を育んだ名門校から慶應・海外院へ
星出氏の卓越したコミュニケーション能力と英語力の原点は、その生い立ちと学歴にあります。3歳から7歳までを父親の仕事の都合でアメリカ・ニューヨークで過ごし、この時期にスミソニアン航空宇宙博物館を訪れたことが、宇宙への憧れを抱く原点となりました。
帰国後は茨城県つくば市にある中高一貫の名門・茗溪学園中学校に進学。高校在学中にユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)シンガポール校へ留学し、国際バカロレア資格を取得して卒業しました。その後、慶應義塾大学理工学部機械工学科へ進学し、流体力学などの工学基盤を徹底的に学びます。
さらにJAXA入社後、アメリカの名門ヒューストン大学大学院(航空宇宙工学専攻)へ留学し修士号を取得。幼少期からの海外経験、日本の名門大学での工学教育、そして本場NASAのお膝元での大学院修了という一連の学歴が、異文化を軽やかに越境し、国際宇宙ステーションでリーダーシップを発揮するための確固たる土台となりました。
プライベートの素顔|家族の支えと『宇宙兄弟』モデル説の真相
宇宙飛行士という命がけの職業を支えているのが、温かな家庭環境です。星出氏は一般女性と結婚しており、過酷な長期滞在や過密な訓練スケジュールを陰で支え続ける妻と家族の存在は、精神的な大きな支柱となっています。ミッション中に行われた地上との交信イベントでも、家族への感謝を素直に口にする姿が印象的でした。
また、大人気漫画・アニメ『宇宙兄弟』との関わりもファンの間で度々話題になります。作中に登場する宇宙飛行士たちのモデルやエピソードには、実際にJAXAやNASAで活躍する飛行士たちの実体験が色濃く反映されており、明るく気さくで誰からも慕われる星出氏のキャラクター性は、作中の日本人宇宙飛行士の描写に少なからぬインスピレーションを与えたと言われています。星出氏自身も作品のファンであることを公言しており、宇宙開発の魅力を広く一般に伝えるカルチャーの架け橋となっています。
過酷な船外活動(EVA)の裏側と気になる年収・給与事情
星出氏の代名詞とも言えるのが、宇宙服を着て宇宙空間に飛び出す船外活動(EVA)です。日本人最多となる4回・通算28時間17分のEVAを記録しており、宇宙空間での緻密な作業能力はNASAのフライトディレクターからも絶賛されています。真空かつ極限の温度差という死と隣り合わせの環境で、指先が鬱血するほどの硬いグローブを操作し続ける作業は、極限の集中力と体力を要求されます。
一方、こうした危険を伴う宇宙飛行士の待遇については、一般的にあまり知られていません。JAXAは国立研究開発法人であるため、宇宙飛行士の身分や基本給はJAXA職員の給与規程(準公務員水準)に準じています。年代や役職にもよりますが、基本年収は800万〜1,200万円程度と推計されます。民間の大企業役員のような莫大な報酬体系ではないものの、宇宙飛行中や海外長期派遣時には特殊勤務手当や出張旅費が加算される仕組みです。名誉や人類のフロンティア開拓という純粋な情熱こそが、過酷なミッションへ挑む最大の動機であることを物語っています。
なぜ最前線で挑み続けるのか?アルテミス計画と月面探査への展望
3度の宇宙飛行とISS船長という最高峰の栄誉を手にしながら、星出氏が情熱を失わない理由は何でしょうか。それは、有人宇宙探査の舞台が「地球周回軌道」から「月、そして火星」へと劇的に移行しつつあるからです。
日本はアルテミス計画において、日本人宇宙飛行士を月面に着陸させる取り決めを米国と交わしており、月周回有人拠点「ゲートウェイ」の建設や月面探査車(加圧ローバ)の開発を進めています。ベテランとして地上からこの歴史的プロジェクトを設計・統括する重責に加え、これまでに培った知見は、日本人初の月面着陸を目指すチーム全体にとって欠かすことのできない羅針盤となっています。
【星出彰彦】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:星出彰彦宇宙飛行士の通算宇宙滞在期間はどのくらいですか?
A1:3回の宇宙飛行を合わせて340日11時間9分です。これは日本人宇宙飛行士の中で若田光一氏、野口聡一氏らに並ぶトップクラスの記録です。
Q2:星出彰彦氏の船外活動(EVA)の記録は?
A2:合計4回、通算28時間17分を実施しており、船外活動の回数・通算時間ともに日本人宇宙飛行士として単独トップの実績を誇ります。
Q3:出身高校や大学などの学歴はどこですか?
A3:茗溪学園中学校を経てUWCシンガポール校を卒業後、慶應義塾大学理工学部機械工学科を卒業。その後、アメリカのヒューストン大学大学院で修士号(航空宇宙工学)を取得しています。
Q4:星出彰彦氏は今後、月に行く可能性はありますか?
A4:年齢や健康状態、後進育成との兼ね合いもありますが、現役の宇宙飛行士として訓練を継続しており、月周回拠点「ゲートウェイ」への派遣や月面探査支援など、アルテミス計画における重要任務に就く可能性は十分にあります。
技術者としてキャリアをスタートさせ、自らの手で宇宙への扉を開いた星出彰彦氏。スペースシャトル時代の実験棟組み立てから、最新の民間有人宇宙船クルードラゴンによるISS船長任務まで、その歩みは日本の有人宇宙開発の進化そのものです。
月面着陸や火星探査という次なるフロンティアへ向けて、地上と宇宙の現場をつなぐ星出氏の経験とリーダーシップは、今後ますます重要な意味を持ちます。日本が誇る名船長が切り拓く未来の宇宙開発から、引き続き目が離せません。