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スルガ銀行の現在は?かぼちゃの馬車事件からの再建と最新業績

安藤 澪 安藤 澪 • 更新: • 公開: • 読了約 8 分
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2018年に発覚し、金融界のみならず日本社会全体に激震を走らせたスルガ銀行の不正融資問題。シェアハウス「かぼちゃの馬車」を巡る巨額トラブルから年月が経過した今、同行がどのような道を歩み、どのような状況にあるのか気になっている方も多いのと考えられます。

一時は「存続の危機」とまで囁かれたスルガ銀行ですが、経営陣の刷新や業務改善計画の実行、さらには他業種との提携を通じて抜本的な構造改革を進めてきました。本稿では、当時の事件の真相から再建のキーとなったクレディセゾンとの提携、最新の業績・株価推移、そして現在の住宅ローンやカードローンの実情まで、取材現場の視点を交えて分かりやすく解説します。

【事件の真相】かぼちゃの馬車問題とスマートデイズ破綻の経緯を振り返る

スルガ銀行

スルガ銀行が直面した未曾有の危機の引き金となったのが、不動産会社スマートデイズが展開していた女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を巡る不正融資問題です。

スマートデイズは「家賃収入を30年間保証する(サブリース)」と謳い、サラリーマンなどの個人投資家にシェアハウスの建築・購入を持ちかけていました。しかし実態は、入居率の低迷を新規オーナーからの資金で穴埋めする自転車操業であり、2018年1月にオーナーへの賃料支払いが突如停止。同年4月に同社は破産手続きに入りました。

問題の本質は、同社と密接に結びついていたスルガ銀行の組織体制にありました。第三者委員会の調査により、同行の行員が融資審査を通すために顧客の預金通帳や源泉徴収票の数値を改ざんしていた実態が次々と判明。背景には「数字こそすべて」という過度なノルマ至上主義と、上層部による強烈なプレッシャーが存在していました。金融庁から一部業務停止命令を含む厳しい行政処分を受けたことで、かつて「地方銀行の優等生」と呼ばれた名声は完全に失墜することとなりました。

【再建の現在地】クレディセゾンとの資本業務提携で何が変わったのか

創業家主導の経営から脱却を図る中、同行の再建プロセスは平坦ではありませんでした。一時は家電量販店大手のノジマと資本提携を結んだものの、経営方針を巡る意見の対立から関係が悪化し、2022年に提携を解消する事態に発展します。

転機となったのが、2023年5月に発表されたクレジットカード大手・クレディセゾンとの資本業務提携です。クレディセゾンがスルガ銀行株の約15%を取得して筆頭株主となり、リテールファイナンスの分野で包括的な協力体制を敷くこととなりました。

この提携により、両社は住宅ローンや個人向けローンの共同開発、クレジットカード会員基盤を活用した相互送客などを加速させています。かつてのスタンドプレー体質から脱却し、大手ノンバンクのノウハウを融合させることで、透明性の高いガバナンスと持続可能な収益モデルの再構築が進んでいます。

【最新業績と財務】「潰れる噂」の真相と株価・配当の推移

ネット上では過去のイメージから「スルガ銀行は潰れるのではないか」といった検索ワードが散見されますが、結論から述べると、現在の財務基盤から見て経営破綻の危険性は極めて低い水準にあります。

最大の懸念材料だったシェアハウス関連の不良債権は、2020年から2022年にかけて物件を同行へ引き渡すことで残債を帳消しにする「代物弁済スキーム」などを通じて処理が進み、巨額の引当金計上も一巡しました。

自己資本比率は国内基準の4%を大幅に上回る10%台後半から15%前後の健全な水準を維持しており、連結最終損益も安定した黒字を計上しています。これに伴い、株主還元方針も見直され、復配以降は安定配当および機動的な自社株買いを実施。株式市場での評価も着実に見直されつつあり、株価も底打ちから回復基調を辿っています。

【融資・リテール事情】住宅ローン審査やカードローン「リザーブドプラン」の今

現在、スルガ銀行のローン事業はどのように運営されているのでしょうか。利用者が気になる住宅ローンやカードローンの実情を整理します。

かつて柔軟すぎる(時に無謀な)融資姿勢が問題視された住宅ローン審査は、現在厳格なコンプライアンスのもとで適正化されています。とはいえ、従来の強みであった「個人事業主や転職直後の方、一般的なメガバンクの画一的な審査に通りにくい層への柔軟な審査ノウハウ」は、法令遵守を前提とした形で受け継がれています。金利水準はメガバンクの最優遇レートに比べるとやや高めに設定される傾向がありますが、属性に応じたオーダーメイド型の提案力には依然として定評があります。

一方、同行の主力商品であるカードローン「リザーブドプラン」も、過度な貸し付けを防ぐ審査態勢を徹底しつつサービスを継続しています。Visa機能付きカードの利便性やウェブ完結手続きなどを武器に、クレディセゾンとの連携シナジーを活かした健全な個人向け無担保ローンとして運用されています。

【評判と口コミ】ユーザー目線で見るスルガ銀行のメリットと注意点

実際にスルガ銀行を利用しているユーザーの口コミや評判を調査すると、過去の不祥事に対する懸念と、実用面での評価が二極化している様子が見て取れます。

評価されているポイント(メリット):

  • インターネット支店(Dバンク支店など)の利便性:他行宛て振込手数料の無料回数優遇や、ユニークなポイント還元プログラムに対する満足度が高い。
  • 審査スピードと相談対応:店舗窓口やオンラインでの対応が丁寧で、複雑な資金需要にも親身に相談に乗ってくれるという声が多い。

注意点として挙げられるポイント(デメリット):

  • 金利設定:預金金利や住宅ローン金利において、ネット専業銀行の最前線と比較すると飛び抜けたお得感は薄い。
  • ブランドイメージへの先入観:事件の印象が強く残っている家族や関係者から、利用に対して懸念を示されるケースが残る。

【スルガ銀行】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:かぼちゃの馬車事件の被害者への補償や借金問題はどうなりましたか?
A1:2020年3月に東京地裁での調停が成立し、物件を手放す(代物弁済)ことで残った融資債権を投資関連ファンドへ譲渡し、借金を事実上ゼロにする措置が取られました。これにより、長年苦しんできたオーナーの負債問題は法的に決着しています。

Q2:スルガ銀行の口座にお金を預けておいても安全ですか?
A2:預金保険制度(ペイオフ)の対象であるため、万一の場合でも1人あたり元本1,000万円までとその利息は全額保護されます。また、現在の同行の財務指標や自己資本比率は健全であり、日常的な取引において預金が危険に晒される可能性は極めて低い状態です。

Q3:現在の住宅ローン審査は昔のように甘いのでしょうか?
A3:不正が横行していた当時の審査基準は完全に撤廃されており、「審査が甘い」ということは一切ありません。現在は厳格なコンプライアンス審査が行われていますが、画一的なスコアリングだけでなく、個別の事情を丁寧に精査する独自の審査ノウハウは健全な形で活かされています。

未曾有の不正融資問題から月日を経て、スルガ銀行は過去の負の遺産を清算し、着実な再建の道を歩んできました。クレディセゾンとの強固なパートナーシップを軸に、コンプライアンスの徹底とリテール金融の強化を図る姿は、かつてのノルマ至上主義の組織から大きく様変わりしています。

失われた社会的信用の完全な回復にはなお時間を要するものの、健全化した財務体質と強固なアライアンスを武器に、新たな地域金融機関のモデルケースを築けるかどうかが今後の最大の注目点となります。

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コンテンツディレクター 安藤 澪
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