2022年春に愛知県弥富市へ移転した名古屋競馬場。名古屋市港区泰明町に位置する約20ヘクタールもの広大な跡地は、あおなみ線「港北駅(旧・名古屋競馬場前駅)」に隣接する市内有数の大規模開発用地として、地元住民のみならず不動産・流通業界からも熱い視線が注がれています。
しかし、当初目玉とされていた「2026年アジア競技大会の選手村構想」が見直されたことで、「跡地計画は今どうなっているのか」「巨大な商業施設やマンションはいつ建つのか」と疑問を抱く声も少なくありません。劇的な方針転換の真相と、現地で進む最新の街づくりプロジェクトの全貌を追いました。
【真相】なぜ選手村構想は見直されたのか?アジア競技大会と計画変更の舞台裏
名古屋競馬場跡地をめぐる最大の転換点は、アジア競技大会(愛知・名古屋2026)の選手村計画の見直しでした。当初の青写真では、約20ヘクタールの敷地に約4,000戸規模の選手村住宅棟を建設し、大会終了後に分譲マンションや商業施設としてリノベーションする大規模プランが描かれていました。
ところが、世界的な建築資材の高騰や人手不足による建設コストの急膨張、さらには工期遅延のリスクが浮上。自治体と大会組織委員会は持続可能な財政運営と大会後の供給過剰リスクを総合的に判断し、選手村の新設を断念しました。選手宿舎は既存のホテルやクルーズ船の活用、民間施設への分散配置へと舵を切ることになったのです。
この決定により一時は「開発が頓挫するのではないか」との懸念も広がりましたが、結果として大会日程の制約に縛られない、中長期視点での自由度の高いまちづくりへと方針が再定義される契機となりました。
【最新動向】事業者が決定!名古屋市港区泰明町に生まれる次世代スマートタウン
選手村構想の見直しを受け、名古屋市と愛知県競馬組合は新たな事業者公募を実施。その結果、中部電力ミライズを代表企業とし、東邦ガスや大和ハウス工業などが参画する企業グループが開発事業者に決定しました。
提案されたコンセプトは、脱炭素社会と防災機能を兼ね備えた「次世代型スマートタウン」の創出です。競馬場の広大かつ平坦な地形を活かし、再生可能エネルギーの地産地消システムやマイクログリッドを導入。平常時は快適で緑豊かなコミュニティを形成しつつ、大規模災害時には広域避難拠点として機能する先進的な都市モデルが計画されています。
商業施設はイオン?ららぽーと?気になるテナント計画とオープン時期の目安
地元住民の間で最も関心を集めているのが、どのような商業施設が出店するのかという点です。近隣にはすでに「ららぽーと名古屋みなとアクルス」や「イオンモール名古屋茶屋」といった巨大ショッピングモールが存在するため、競馬場跡地にどの系列が進出するのか様々な憶測を呼びました。
現在進行中の計画では、単なる広域集客型の巨大モールを重複して建てるのではなく、日常の利便性を極限まで高めたライフスタイル提案型商業施設が軸となっています。スーパーマーケットやドラッグストアをはじめ、地域コミュニティを育むカフェ、医療モール、子育て支援施設、フィットネス機能などが一体となったオープン型の商業ゾーンが有力視されています。
気になるオープン時期については、基盤整備やインフラ工事の進捗に合わせて2026年後半から2028年にかけて段階的な開業を迎えるスケジュールで調整が進められています。
【現在の様子】解体完了から本格着工へ!現地取材で見えた広大な敷地の今
かつて熱戦が繰り広げられたスタンドや馬場、関連施設の解体工事は着実に完了し、敷地全体は見渡す限りの広大な更地へと姿を変えています。あおなみ線港北駅のホームや駅前ロータリーから現地を望むと、かつての競馬場の面影はなく、重機による造成工事やインフラ整備が着々と進む現場の熱気が伝わってきます。
敷地の周囲は仮囲いで覆われていますが、区画道路の整備や上下水道などの地下インフラ埋設が急ピッチで進められており、単なる空き地から「新しい街の骨格」が現れ始めているのが現在の様子です。
住環境はどう変わる?新設マンション・住宅エリアと防災拠点の全貌
敷地内には商業施設だけでなく、多様な世代が暮らせる大規模な住宅エリアが誕生します。ファミリー層向けの新築分譲マンションを中心に、戸建て住宅街区やシニア向けウェルネス住宅の整備が盛り込まれています。
特に注目すべきは、敷地中央に配置される広大な緑地・防災公園とのシームレスな連携です。海抜が低く水害対策が重視される港区エリアにおいて、盛土による地盤のかさ上げや雨水流出抑制施設の設置など、最新の減災技術が街区全体に施されます。あおなみ線を利用すれば名古屋駅まで直通約12分という抜群のアクセス性を誇るため、都心通勤者の新たなベッドタウンとしても高い需要が見込まれています。
【名古屋競馬場跡地】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:名古屋競馬場はどこへ移転したのですか?
A1:2022年4月に愛知県弥富市(旧・弥富トレーニングセンター敷地内)へ移転し、ナイター設備などを完備した「愛知名古屋競馬場」として新設オープンしています。
Q2:最寄り駅の名前は今も「名古屋競馬場前駅」のままですか?
A2:競馬場の移転に伴い、2022年3月にあおなみ線の駅名が「名古屋競馬場前駅」から現在の「港北(こうほく)駅」へ改称されました。
Q3:跡地全体の完成はいつ頃になりますか?
A3:インフラ基盤整備を経て、商業エリアや一部住宅街区が順次オープンし、街全体のグランドオープンは2028年前後を見込んで段階的に進められています。
アジア大会選手村の見直しという大きな曲折を経た名古屋競馬場跡地ですが、その本質は「一過性のイベント用地」から「未来を見据えた持続可能なスマートタウン」への進化でした。名古屋駅至近という利便性を保ちながら、緑豊かな自然環境と先進インフラが調和する街づくりは、名古屋市港区全体のブランド価値を大きく引き上げる起爆剤となるはずです。本格的な姿を現し始めるこれからの動向から、ますます目が離せません。