結成16年以上の実力派漫才師たちが円熟の芸をぶつけ合う『THE SECOND~漫才トーナメント~2024』。第2回大会となったグランプリファイナルは、前回王者のギャロップに続く栄冠をめぐり、全国の予選を勝ち抜いた精鋭8組による凄まじい熱戦が繰り広げられました。生放送のスタジオに充満する異様な緊張感のなか、見る者すべてを圧倒して第2代王者の座を射止めたのが、結成19年目のガクテンソクです。
大会最高得点を叩き出したガクテンソクの完璧なネタ運び、下馬評を覆して決勝まで駆け上がったザ・パンチの快進撃、そして僅差で涙をのんだ実力者たちのドラマ。今大会が残した数々の名シーンと、観客審査員を唸らせた勝敗の分岐点を深く掘り下げて解説します。
【トーナメント全結果・得点表】大波乱のグランプリファイナルをプレイバック

2024年5月18日、19時から4時間以上にわたって生放送されたグランプリファイナル。全国のノックアウトステージ(開幕戦・32→16、16→8)を突破したファイナリスト8組による対戦カードとトーナメント結果は以下の通りです。
【1回戦(準々決勝)結果】
・第1試合:ハンジロウ(271点) vs 金属バット(284点)
・第2試合:ラフ次元(255点) vs ガクテンソク(288点)
・第3試合:タモンズ(264点) vs ななまがり(268点)
・第4試合:タイムマシーン3号(273点) vs ザ・パンチ(284点)
【準決勝結果】
・第1試合:金属バット(273点) vs ガクテンソク(283点)
・第2試合:ななまがり(274点) vs ザ・パンチ(284点)
【決勝戦結果】
・ガクテンソク(294点) vs ザ・パンチ(243点)
初戦から優勝候補と目されていたタイムマシーン3号が敗退するなど波乱が続出。その中で終始安定して280点台後半をキープし、決勝でギアを一段引き上げたガクテンソクの地力が際立つトーナメント展開となりました。
王者ガクテンソクの圧巻劇|決勝294点の勝因と磨き抜かれたネタの神髄
決勝戦でガクテンソクが叩き出した294点(1点:0人、2点:6人、3点:94人)というスコアは、まさに圧巻の一言でした。なぜ彼らはこれほどまでに会場の一般審査員を味方につけ、高得点を獲得できたのでしょうか。
勝因の核心は、奥田修二による知性と毒が同居した緻密なボケ・ツッコミと、よじょうの飄々としたキャラクターが見事に調和していた点にあります。東京進出を経て磨かれた「国分寺ネタ」をはじめとする地域・日常の違和感を拾い上げる漫才は、若手の賞レースにありがちなスピード勝負ではなく、間の取り方と声のトーンだけで会場の空気を掌握する熟練の技でした。
さらに大きかったのが、6分間という長尺の使い分けです。1回戦、準決勝、決勝とネタが進むにつれ、観客の反応を瞬時に察知してテンポを微調整。決勝ではザ・パンチの直後というやりにくい出順でありながら、冒頭のワンフレーズで空気を完全にリセットし、笑いの波を途切れさせない完璧な構成力を証明してみせました。
結成16年以上の意地が激突!ノックアウトステージから生まれた名勝負と敗者コメント
THE SECONDが他の賞レースと一線を画すのは、勝敗が決した直後の清々しさと、芸歴を重ねたからこそ滲み出る人間ドラマです。
1回戦で屈指の名勝負となったタイムマシーン3号とザ・パンチの一戦では、誰もが認める巧者・タイムマシーン3号に対し、泥臭く魂をぶつけたザ・パンチが勝利。敗れたタイムマシーン3号・山本浩司が「漫才ってこんなに楽しいんだと改めて思えた」と語り、関太が相方を称える姿は、ネット上でも「涙なしには見られない」と大きな共感を呼びました。
また、惜しくも準決勝で散った金属バットやななまがりが見せた独特のユーモアと、舞台裏での清々しい敗者コメントも印象的です。敗者が勝者をリスペクトし、戦い終えた戦友として讃え合うバックステージの様子は、SNS上での感想まとめでも絶賛の声が溢れかえりました。
一般審査員100名による採点基準の真相|なぜ高得点と波乱が生まれたのか?
THE SECONDの審査システムは、スタジオに集まった一般観客100名が「とても面白かった(3点)」「面白かった(2点)」「面白くなかった(1点)」の3段階でジャッジする仕組みです。
この審査方法の特徴は、プロの審査員による技術偏重の評価ではなく、「その場の生の笑いの総量」がそのまま点数に直結する点にあります。生放送特有の熱気や、芸人が放つエネルギーがダイレクトに点数へと反映されるため、事前の下馬評通りにはいかない劇的な展開が生まれます。
ザ・パンチが準決勝まで連続で284点という高得点を叩き出したのは、彼らの熱量が観客の心を動かした証拠であり、逆に決勝でガクテンソクが94名から3点を獲得した事実は、技術と熱量が極限で噛み合った漫才がいかに観客を圧倒するかを証明しています。
歴代王者ギャロップとの比較で読み解く「THE SECONDで勝てる漫才」の条件
初代王者であるギャロップ(2023年)と、第2代王者となったガクテンソク(2024年)。両者の経歴と勝ち筋を比較すると、この大会で頂点に立つための明確な共通点が浮かび上がってきます。
両組ともに「関西の正統派しゃべくり漫才」をベースとしながら、M-1グランプリのラストイヤーを経験し、一度は賞レースのプレッシャーから解放された期間を過ごしています。道具や特殊なギミックに頼らず、立ちマイク1本と2人の会話だけで6分間を持たせる構成力は共通の強みです。
ギャロップが林健の哀愁と自虐を巧みに昇華させたのに対し、ガクテンソクは奥田の切れ味鋭い弁舌とよじょうの抜け感を武器に、より現代的でテンポの速い会話劇を構築しました。「円熟味を持ちながらも古臭くない漫才」こそが、審査員の心を掴む絶対条件であると言えます。
見逃し配信情報とアーカイブ|TVer・FODでの視聴方法
歴史的な名勝負となった今大会の映像は、民放公式テレビ配信サービスTVerおよびフジテレビの公式動画配信サービスFODにて配信が行われました。
リアルタイム放送直後には見逃し配信が大きな再生数を記録し、ノックアウトステージの未公開映像やバックステージの密着ドキュメンタリーなど、大会の裏側を追った特別コンテンツもファン必見の内容となっています。現在アーカイブを視聴する際は、FODプレミアム等の配信ラインナップを確認することをおすすめします。
【ザセカンド 2024】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:THE SECOND 2024の最終的な優勝賞金はいくらですか?
A1:優勝賞金は1,000万円です。見事優勝を果たしたガクテンソクに贈られました。
Q2:ガクテンソクが決勝で記録した得点は過去最高ですか?
A2:はい。決勝戦で記録した294点は、第1回・第2回を通じて大会史上最高得点となりました。
Q3:一般審査員はどのように選ばれているのですか?
A3:番組観覧に応募した一般視聴者の中から厳正な抽選で選ばれた100名が、会場で各対戦ごとにリアルタイムで採点を行っています。
『THE SECOND 2024』は、ガクテンソクの圧巻の優勝という形で幕を閉じました。しかし、今大会が残した最大の功績は、ひとつの勝敗にとどまらず、結成16年を超えてもなお進化し続ける漫才師たちの底力を世に知らしめた点にあります。
若手の登竜門とは異なる、芸人の生き様そのものがぶつかり合う舞台。泥をすすりながら舞台に立ち続けてきたベテランたちの熱演は、多くのお笑いファンに勇気と笑いを与えました。次なる大会へ向けて、劇場とテレビの現場で熱い戦いが続いています。