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土用餅とは?土用の丑の日に食べる意味や由来・あんころ餅との違いを解説

黒田 大河 黒田 大河 • 更新: • 公開: • 読了約 8 分
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「土用の丑の日」と聞くと真っ先に香ばしいうなぎの蒲焼きが思い浮かびますが、実は古くから日本各地に伝わるもうひとつの主役が「土用餅(どようもち)」です。主に関西や北陸地方を中心に受け継がれてきたこの和菓子は、夏の暑さを乗り切るための滋養食であり、無病息災を祈る大切な行事食として親しまれています。

なぜ土用の丑の日に餅を食べるのか、一般的なあんころ餅と何が違うのかなど、意外と知られていない背景には日本の豊かな知恵と風習が詰まっています。知っておきたい土用餅の歴史的背景から栄養面のメリット、2026年の購入ガイドまで詳しく紐解いていきます。

土用餅とは?土用の丑の日に食べる由来と「無病息災」の深い意味

土用餅とは

土用餅とは、小豆の餡(あん)で餅を包んだあんころ餅のことです。季節の変わり目である「土用」の時期、特に夏の土用の入りや土用の丑の日に食べることで、その年の猛暑を病気にかからず無事に乗り切ることができると伝えられています。

その起源は古く、宮中で行われていた風習にさかのぼります。平安時代、貴族たちは厳しい夏の土用の暑気あたりを防ぐため、ガガイモ(生薬名:蔓錦葵)の葉を煎じた汁で練った餅を味噌汁に入れて食していました。この滋養強壮を目的とした餅が、いわゆる「力餅(ちからもち)」の原点です。

江戸時代に入ると、庶民の間でも土用に餅を食べる習慣が広がりました。味噌汁仕立てから次第に甘い小豆あんを絡めるスタイルへと変化し、これが現代の土用餅の形として定着したとされています。

なぜうなぎではなく餅なのか?夏バテ予防と厄除けに選ばれる決定的な理由

現代では土用の丑の日といえば「うなぎ」のイメージが全国的ですが、古来の民間信仰と食文化において、土用餅にはうなぎとは別の重要な役割がありました。選ばれてきた理由は大きく分けて2つあります。

1つ目は小豆の赤色による「厄除け」です。古代より赤色は太陽や生命を象徴し、邪気を祓う特別な力があると信じられてきました。季節の変わり目で体調を崩しやすく、疫病が流行りやすかった夏の土用期に、小豆を食べることは魔除けの儀礼でもありました。

2つ目は実用的な「夏バテ予防」の観点です。小豆には糖質をエネルギーへ変換するビタミンB1や、むくみを解消するカリウム、抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富に含まれています。そこに素早くエネルギー源となる餅が組み合わさることで、食欲が落ちやすい夏場に手軽にスタミナを補給できる優れた栄養補助食品として重宝されてきた歴史があります。

「土用餅」と「あんころ餅」「おはぎ」の違いとは?見分け方と定義

「土用餅」と店頭で見かけると、「普段のあんころ餅やおはぎと何が違うのか?」と疑問に思う方も少なくありません。それぞれの明確な違いを整理すると、以下のようになります。

製法上の観点で見ると、土用餅は「あんころ餅」そのものです。もち米をしっかり搗(つ)いた滑らかな餅を小豆あんで包んだものを指します。違いは用途と時期にあり、土用の時期に無病息災を願って食べるものを特別に「土用餅」と呼びます。

一方、「おはぎ(ぼたもち)」は製法が異なります。おはぎはもち米とうるち米を混ぜて粒感を残した状態(半殺し)に炊き上げたものをあんで包むため、餅の食感が完全に滑らかな土用餅とは口当たりがはっきりと区別されます。

関西や北陸に根付く食文化|伊勢名物「赤福」や金沢の夏の風物詩

土用餅を食べる文化は、現在でも関西地方・北陸地方・東海地方で特に強く根付いています。関東ではうなぎ一辺倒になりがちですが、西日本エリアでは和菓子店の店頭に「土用餅」ののぼりがずらりと並び、夏の到来を告げる風物詩となっています。

代表的な例として知られるのが、三重県伊勢市の名物「赤福」です。赤福では毎年、夏の土用の入りに合わせて特製の土用餅が限定販売され、多くの人が厄除けを願って買い求めます。また、石川県金沢市や富山県などの北陸エリアでも、土用の丑の日に家族全員であんころ餅を食べる習慣が現代も当たり前のライフスタイルとして定着しています。

【2026年最新】土用餅を食べる日はいつ?販売期間とどこで買えるか徹底調査

2026年の夏の土用期間は7月19日前後から8月6日頃まで(立秋の前日まで)となります。この期間中の「土用の入り」や「土用の丑の日」に合わせて土用餅をいただくのが伝統的な作法です。

土用餅は以下のような場所で購入可能です。

老舗和菓子店や百貨店のデパ地下では、土用期間中に各店こだわりの土用餅が並びます。また、近年では大手コンビニエンスストア(セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートなど)でも、土用の丑の日に合わせたスイーツコーナーで手軽な土用餅が販売されるケースが増加しています。

販売期間は非常に短く、「土用の入り」の当日や「土用の丑の日」前後の数日間限定となる店舗が多いため、事前予約やお目当ての店舗の入荷情報を早めにチェックしておくのが確実です。

土用餅のカロリーと日持ち|美味しく食べる保存のコツ

購入する際に気になるのがカロリーと賞味期限です。一般的な土用餅のカロリーは、小ぶりなもの(1個あたり約40〜50g)で約100〜140kcal程度が目安となります。洋菓子に比べて脂質が極めて低いため、夏場のクリーンなエネルギー補給に適しています。

日持ちに関しては、本物の餅米を使用している良質な土用餅ほど時間が経つと固くなりやすいため、基本的には「当日中」の消費が推奨されます。保存時の要点は以下の通りです。

冷蔵庫に入れると餅のデンプンが老化して急速に固くなってしまうため、直射日光を避けた涼しい常温で保管し、早めに食べるのが本来の柔らかさと風味を楽しむ秘訣です。

【土用餅とは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:夏の土用の丑の日以外(春・秋・冬)の土用にも土用餅は食べますか?
A1:土用は年に4回(春夏秋冬)ありますが、土用餅を食べる風習は歴史的に「夏の土用」が中心です。ただし、和菓子店によっては春や秋の土用にも季節のあんころ餅を展開する地域があります。

Q2:土用餅は自宅で手作りできますか?
A2:市販の切り餅や白玉粉、市販の粒あん・こしあんを使えば短時間で簡単に作れます。電子レンジで柔らかくした切り餅にあんこを巻き付けるだけで、手軽に行事食の雰囲気を楽しめます。

Q3:うなぎと一緒に同じ日に食べても問題ありませんか?
A3:全く問題ありません。昼食や夕食に精のつくうなぎをいただき、食後のお茶請けやおやつに無病息災を願って土用餅を食べる組み合わせは、栄養面でも夏のスタミナ維持に非常に理にかなっています。

土用餅は、単なる和菓子という枠を超え、厳しい猛暑を健康に過ごすための先人たちの祈りと知恵が込められた伝統食です。小豆の持つ厄除けの力と、餅がもたらすスタミナは、現代の夏バテ対策としても理にかなった魅力を持っています。

2026年の土用の丑の日は、うなぎだけでなく、味わい深い「土用餅」を食卓に取り入れて、無病息災と健康を願う豊かな日本の季節文化を体感してみてはいかがでしょうか。

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黒田 大河
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