沖縄県内における唯一の指定暴力団として、長年にわたり独自の存在感を放ってきた「旭琉會(きょくりゅうかい)」。過去の激しい内部対立や抗争を経て、2011年に実現した組織の一本化から年月が経過した現在、その組織構造や勢力図は大きな過渡期を迎えています。
世代交代と警察当局による徹底した取り締まりが進むなか、首脳陣の顔ぶれや傘下組織の配置はどう変化したのでしょうか。本稿では、公開情報や関係各方面の取材データをもとに、最新の組織図、歴代会長の足跡、本部機能の現状、そして構成員数の推移までを徹底的に解剖します。
【2026年最新】沖縄旭琉会の組織図と二代目体制の幹部布陣

現在の旭琉會は、2019年に逝去した富永清・初代会長の跡を継ぎ、二代目会長・糸数幸良氏を頂点とする指揮系統を敷いています。かつて激しく対立した複数の派閥を融和させ、単一組織としての結束を維持するための集団指導体制が特徴です。
最高幹部層には、会長を補佐する理事長、幹事長、本部長といった要職が配置され、県内各地に拠点を置く傘下団体(一家・組組織)の総長クラスが名を連ねています。主な幹部構成および直括組織の枠組みは以下の通りです。
【旭琉會の主要幹部・組織構造一覧】
・會長:糸数幸良(二代目旭琉會会長)
・会長代行・理事長等の最高幹部層:各有力一家の首領が歴任
・本部長・幹事長クラス:実務および現場部隊の統括を担当
・主な傘下団体:富永一家、糸数一家、功徳一家、錦一家、沖島一家、照屋一家など
組織内部では、伝統的な「一家」制度をベースに各地域への縄張り(シマ)が割り振られていますが、近年は幹部の引退や組織統合が進み、幹部名簿の再編が頻繁に行われています。
旭琉會の歴代会長と富永清氏が果たした「組織一本化」の真相
沖縄の裏面史を語る上で避けて通れないのが、旭琉會の歴代会長の系譜と、2011年の「一本化」に至る劇的なドラマです。
もともと沖縄の暴力団組織は、本土復帰前後の激しい抗争を経て1970年に初代「旭琉会」として結成されました。しかし、1990年には内部対立から組織が分裂。元祖である「旭琉会」と、離脱した反主流派による「沖縄旭琉会」の2組織が並立し、凄惨な第6次沖縄抗争へと突入しました。この抗争では市民や警官が巻き込まれる痛ましい事件も発生し、社会的な大糾弾を浴びることになります。
この泥沼の分裂状態に終止符を打った立役者が、当時「沖縄旭琉会」を率いていた富永清会長でした。富永氏は本土組織(六代目山口組など)の沖縄進出という外圧を警戒し、沖縄独自のヤクザ組織を守る大同団結を主導。2011年12月、21年ぶりに両組織を解散・統合し、新たな単一組織「旭琉會」を結成して自ら初代会長に就任しました。この一本化によって県内の勢力争いは沈静化し、現在の二代目体制の礎が築かれたのです。
沖縄旭琉会の本部住所と現在の拠点配置|厳戒態勢が続く現場の実態
旭琉會の活動拠点となる本部機能は、現在も沖縄県那覇市首里石嶺町4丁目に置かれています。この施設は一本化前の沖縄旭琉会本部ビルを引き継いだものであり、組織のシンボルとして機能してきました。
しかし、暴力団排除条例の厳罰化や地域住民による追放運動を受け、その周辺環境は厳しさを極めています。建物の周囲には警察当局の監視カメラが常時作動し、組員の立ち入りや会合の開催時には沖縄県警の機動隊や捜査員が厳戒態勢を敷く光景が日常化しています。
また、那覇市辻や松山などの繁華街、中部(沖縄市・宜野湾市)に点在していた傘下組織の事務所も、使用差し止め請求や賃貸契約の解除によって次々と閉鎖に追い込まれており、拠点の集約と地下化が進んでいます。
構成員数の激減と沖縄県警の暴力団対策|壊滅へ向けた包囲網
沖縄県内における指定暴力団の勢力図は、警察庁および沖縄県警による徹底的な「壊滅作戦」によって劇的な縮小を見せています。
かつて最盛期には構成員・準構成員を合わせて1,000人以上を誇った旭琉會ですが、現在の勢力は構成員数・準構成員を合わせても約200〜300人規模にまで激減しているとみられています。
【勢力減退の主な要因】
1. 暴排条例の浸透:銀行口座の開設拒絶、不動産契約の遮断、みかじめ料支払者への罰則強化。
2. 幹部・構成員の高齢化:若手層(リクルート)の激減と、60代〜70代の構成員が中心となる構造的衰退。
3. 相次ぐトップ・幹部の摘発:資金源活動(賭博、恐喝、みかじめ料要求等)への徹底捜査と逮捕。
県警組織犯罪対策課による「離脱者支援制度」も功を奏しており、毎年のように組員が組織を去る流れが定着しています。
旭琉會の最新ニュースと今後の展望|本土暴力団との関係性と沖縄の治安
近年における最大の注目点は、旭琉會の弱体化に乗じた「本土系広域組織の浸透」があるかどうかです。
伝統的に旭琉會は、山口組や住吉会、稲川会といった本土の巨大暴力団とは「友好関係」を保ちつつも、県内への直接的な進出や傘下入りを断固として拒む「独立路線」を貫いてきました。しかし、組織の資金力と動員力が衰えを見せるなか、水面下で本土系組織との結びつきを強める構成員や、半グレ(準暴力団・匿名流動型犯罪グループ)と結託した新たな不法ビジネスの台頭が懸念されています。
直近の捜査情報では、従来のシノギ(資金獲得活動)が封じられた結果、特殊詐欺や違法カジノ、薬物密売などへの関与が警戒されており、沖縄県警は「実態の見えにくい組織犯罪」への監視を一層強化しています。
【沖縄 旭琉会 組織 図】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:旭琉會と本土の山口組にはどのような関係がありますか?
A1:旭琉會は本土組織の傘下には入らず、独立した指定暴力団として存在しています。六代目山口組などとは慶弔や親戚関係を通じた儀礼的な友好関係を維持しつつ、沖縄県内への勢力侵入を防ぐ防波堤としての役割を担ってきました。
Q2:旭琉會の組事務所や本部に入ることは法的に可能ですか?
A2:暴力団排除条例および関係法令により、民間人の事務所立ち入りや利益供与は厳しく規制・監視されています。また、近隣住民への安全確保のため、警察による厳格な警備・監視体制が常時敷かれています。
Q3:なぜ「旭琉会」と「旭琉會」で表記が分かれているのですか?
A3:過去の分裂時代は新字体である「旭琉会」「沖縄旭琉会」が用いられていましたが、2011年の組織一本化の際に旧字体を用いた「旭琉會」を正式名称として採用したためです。報道や警察資料では区別して表記されます。
沖縄の裏社会を半世紀以上にわたって牛耳ってきた旭琉會は、一本化による融和と二代目体制の確立を経た現在、かつてない衰退の局面に立たされています。法規制の網と社会的な排除運動によって、かつてのような威勢は完全に失われつつあります。
しかし、表舞台からの撤退が進む一方で、非合法活動の地下化や新興勢力との結託といった新たな脅威への警戒は緩められません。観光地としての平和と安全を守るためにも、警察当局による監視と壊滅に向けた取り組みの推移から今後も目が離せません。