日本のヒップホップシーンをお茶の間にまで浸透させた立役者、RIP SLYME(リップスライム)。軽快なフロウとポップなメロディで平成の音楽シーンを席巻した彼らですが、その華やかな表舞台の裏では、メンバー間の深刻な亀裂と修復不可能な対立が進行していました。
特にファンや音楽関係者を騒然とさせたのが、MCの1人であったPESによる脱退の公表と、長年にわたる壮絶な関係性の告発です。なぜPESはグループを去る決断を下したのか、2021年の告発騒動から時を経た2026年現在の両者の活動状況まで、これまでに判明した客観的事実をもとに真相を総括します。
【脱退の決定打】PESが明かした脱退理由といじめ告発の全経緯
PESの脱退が公に明るみに出たのは2021年11月のことでした。RIP SLYMEの公式インスタグラムアカウントが開設され、RYO-Z、ILMARI、DJ FUMIYAの3人がインスタライブを実施した際、コメント欄に突如PES本人が降臨したことがすべての引き金となります。
配信内で「一緒にやろう」と呼びかけるメンバーに対し、PESは「足を引っ張るな」「完全に別の道を歩んでいる」といった趣旨のコメントを連投。直後に自身の公式サイトおよびSNSを通じ、「2017年9月にRIP SLYMEを脱退し、事務所も辞めていた」という衝撃の事実を公表しました。
さらに世間を震撼させたのが、脱退に至る理由として語られた「メンバーからのいじめ・ハラスメント」の存在です。PESは声明文や発信の中で、長年にわたりグループ内で対等な関係ではなく理不尽なパシリのような扱いを受けていたこと、精神的な圧迫により心身ともに限界を迎えていたことを吐露しました。ファンが信じていた「仲良し5人組」のイメージは、この告発によって根底から覆されることとなったのです。
【グループ崩壊の引き金】SUの不倫騒動と活動休止の裏にあった亀裂
RIP SLYMEの変調が最初に表面化したのは、2017年4月のMC・SUの不倫報道でした。この騒動をきっかけにグループはライブ出演のキャンセルを余儀なくされ、表舞台からのフェードアウトが始まります。
翌2018年10月には公式サイトが閉鎖され、グループは事実上の活動休止状態へと追い込まれました。当時、メディアやファンの多くは「SUの不祥事による連帯責任」が活動休止の主因だと捉えていました。しかし、実際にはその前年である2017年9月時点でPESが脱退を決意しており、グループの内部崩壊は不祥事報道と並行して決定的な段階に達していたのです。
グループの舵取りやトラブル対応をめぐる議論の中で、PESが求めた誠実な話し合いは実現せず、メンバー間の相互不信は修復不能なレベルまで深まっていました。
【RYO-Z・ILMARIとの確執】すれ違いはなぜ修復不可能になったのか
PESが告発の中で特に強く問題視したのは、脱退後のメンバー側の対応でした。PESの主張によれば、すでに脱退した身であるにもかかわらず、残されたメンバー側から公式な脱退発表が長年なされず、自身が「グループを勝手に放棄した」かのような誤解をファンの間で招き続けたことへの強い憤りがありました。
とりわけグループのリーダー的存在であったRYO-ZやILMARIとの間には、単なる音楽性の相違にとどまらない、長年の人間関係の歪みが蓄積していたとされます。PESは「何度も対話を試みたが、真摯に向き合ってもらえなかった」「知人関係者への嫌がらせもあった」と主張。
一方、告発を受けた直後にRYO-Zらは謝罪の意を表する動画を公開したものの、具体的な事実関係の詳細についての言及は避け、双方の主張は平行線をたどったまま対話の窓口は完全に閉ざされる結果となりました。
【世間の反応とネットの評価】告発が生んだ衝撃とファンたちのリアルな声
青春時代をRIP SLYMEの楽曲とともに過ごしたファンにとって、一連の告発劇は計り知れないショックをもたらしました。ネット上やSNSでは、複雑に入り混じった反応が巻き起こりました。
主なネット上の反応は以下の通りです。
・「PESの気持ちに寄り添う声」:長年一人で苦痛を抱え込み、グループのイメージを守るために沈黙を強いられていたPESへの同情と、勇気ある告発を支持する意見。
・「青春の崩壊を嘆く声」:『楽園ベイベー』や『熱帯夜』などに代表される眩しいパーティーチューンの裏に陰湿な人間関係があった現実を受け止めきれないファンの悲痛な叫び。
・「ビジネスと友情の難しさを指摘する声」:幼馴染や学生時代の仲間からスタートしたグループだからこそ、大人になり利害関係が生じた際の力関係が固定化してしまったのではないかという冷静な分析。
結果として、RIP SLYMEが持っていた「等身大の仲間たち」というブランドイメージは決定的なダメージを受けることとなりました。
【現在の体制と活動】3人で再始動したRIP SLYMEの現在地
激震の告発騒動を経て、RIP SLYMEは2022年4月にRYO-Z、ILMARI、DJ FUMIYAの3人体制で本格的に再始動を発表しました。脱退したSUとPESの復帰はなく、5人組から3人組へとユニットの形態を刷新しています。
新体制となった彼らは、配信シングルをコンスタントにリリースし、全国の音楽フェスやイベントへの出演を再開。2026年現在も、サポートMCや外部アーティストとのコラボレーションを積極的に取り入れながら、ライブ活動を軸にした精力的なパフォーマンスを展開しています。往年のヒット曲も3人編成向けにリアレンジして披露するなど、過去の傷跡を抱えつつもグループとしての存続を図っています。
【ソロとしての新境地】2026年におけるPESの楽曲制作と現在
グループを完全に離れたPESは、自身のペースを守りながら、純粋な音楽的探求を続けています。
自身が立ち上げたレーベルやプロジェクトを通じて、ジャンルにとらわれないソロ楽曲のリリースを継続。卓越したメロディセンスと独特のリリックは健在であり、他アーティストへの楽曲提供、プロデュースワーク、さらにはカルチャー系イベントへの出演など、メジャーの枠組みに縛られない自由な創作活動を行っています。
SNS上でもファンと穏やかなコミュニケーションを取りながら、自身のライフスタイルを大切にした発信を続けており、グループ時代に抱えていた重圧から解放された表情を見せています。
【PES・RIP SLYME】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:PESがRIP SLYMEを脱退したのは具体的にいつですか?
A1:公式に告発が行われたのは2021年11月ですが、実際にPESが脱退手続きを取りグループを離れたのは2017年9月です。4年以上もの間、脱退の事実が世間に伏せられていました。
Q2:SUはなぜグループを脱退したのですか?
A2:2017年4月に報じられた不倫問題により活動休止となり、2018年秋のグループ活動休止に伴って実質的な脱退となりました。その後、3人体制での再始動時にもSUは合流していません。
Q3:今後、PESがRIP SLYMEに復帰・合流する可能性はありますか?
A3:可能性は極めて低いとみられます。PES本人が「関わりを持ちたくない」と明確に意思表示しており、双方の溝は法的なやり取りを含めて決定的なものとなっているため、オリジナルの5人体制復活は現実的ではありません。
かつて一世を風靡したRIP SLYMEの内紛とPESの脱退劇は、ポップグループが抱える人間関係の難しさと、表舞台と裏側のギャップを浮き彫りにしました。
2026年現在、3人でグループの看板を守り続けるRIP SLYMEと、独立した表現者として自身のサウンドを追求するPES。歩む道は完全に分かたれましたが、それぞれが生み出してきた名曲の輝きや、日本の音楽シーンに残した功績が色褪せることはありません。過去の確執を越え、両者がそれぞれのステージでどのような表現を紡ぎ出していくのか、今後も注目が集まります。