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【真相】なぜ東大赤門は閉鎖されたのか?耐震問題と再開の現在地

星野 楓 星野 楓 • 更新: • 公開: • 読了約 7 分
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東京大学本郷キャンパスの象徴として親しまれてきた「赤門」。多くの観光客や受験生が記念写真を撮影し、通り抜けてきた歴史的建造物ですが、現在は門が固く閉ざされたままとなっています。かつてのように自由にくぐることができなくなった光景に、現地を訪れて驚いた方も少なくないはずです。

日本最高峰の学府を象徴する朱塗りの門に、一体何が起きたのでしょうか。国の重要文化財に指定されている建造物がなぜ閉鎖に至ったのか、その耐震診断の全貌から現在の改修計画、そして気になる一般開放の再開見通しまで、取材現場から解説します。

【なぜ閉鎖?】東大赤門が通行止めとなった決定的な理由と耐震診断結果

東大赤門

赤門が突如として閉鎖されたのは2021年2月12日のことでした。東京大学が実施した定期的な詳細点検において、門の左右に連なる「番所(門番の詰所)」の基礎部分や木構造に深刻な劣化が確認されたことが直接のきっかけです。

国の重要文化財である建造物に対して行われた耐震診断の結果、震度6強以上の大規模地震が発生した場合、門の構造体が倒壊または損壊し、通行人に重大な危害を及ぼす恐れがあると判定されました。赤門は日々多くの学生や観光客、地域住民が往来する本郷通りの歩道に面しており、東大当局は「人命の安全確保を最優先にする」という判断から、即座に扉を閉じ、門周辺への立ち入りを制限する措置を下しました。

単なる老朽化だけでなく、江戸時代後期の木造建築が抱える構造的な脆弱性が現代の防災基準において浮き彫りになった形です。

【現在の様子】閉ざされた赤門の現状と再開・耐震改修工事のロードマップ

閉鎖から年月が経過した現在も、赤門の扉は閉じられた状態が続いています。周囲には安全確保のための柵が設置されていますが、歩道側からの外観鑑賞や写真撮影自体は可能です。

改修工事が長期化している背景には、赤門が国の重要文化財に指定されている特有の事情があります。一般的な近代建築のようにコンクリートや鉄骨で単純に補強することは許されず、当時の伝統工法や部材を可能な限り残しながら強度を高める「保存修理」が求められるためです。文化庁との綿密な協議や、部材一本ごとの詳細な非破壊検査には膨大な時間を要します。

東京大学は耐震改修工事に向けた基本設計や調査を進めており、多額の費用を賄うためにクラウドファンディングなどを活用した寄付金の募集も展開してきました。完全な修復と通行再開の時期については、工事の本格着工から数年規模の期間が見込まれており、慎重にステップが進められています。

【歴史と由来】加賀藩前田家との深い縁|国の重要文化財「御守殿門」の価値

東大赤門の正式名称は「旧加賀屋敷御守殿門(きゅうかがやしきごしゅでんもん)」といいます。その歴史は江戸時代後期の文政10年(1827年)にまで遡ります。

当時、加賀藩13代藩主の前田斉泰が、第11代将軍・徳川家斉の娘である溶姫(やすひめ)を正室として迎える際、慣例に従って建立された格式高い門です。将軍家から降嫁した姫君を迎えるための門は朱塗りにすることが定められており、これが「御守殿門」と呼ばれ、通称「赤門」として定着しました。

江戸時代には各地の大名屋敷に同様の赤門が建てられましたが、火災や戦災、都市開発によってそのほとんどが焼失・解体されました。現存する御守殿門として当時の姿をほぼ完璧にとどめているものは極めて稀であり、1931年に国の重要文化財(旧国宝)に指定された、歴史的にも奇跡的な遺構です。

【意外な事実】赤門は正門ではない?多くの人が勘違いする本郷キャンパスの門事情

世間一般では「東大=赤門」というイメージが定着していますが、実は赤門は東京大学の「正門」ではありません。本郷通り沿いを数十メートル北上した場所にある、重厚な鉄扉と門柱で構成された門こそが正式な「東京大学正門」です。

正門は1912年に完成したもので、建築家・伊東忠太が設計を手掛け、こちらも国の登録有形文化財に登録されています。正門を入ると真っ直ぐに銀杏並木が伸び、その正面に安田講堂がそびえ立つレイアウトになっています。

一方の赤門は加賀藩屋敷の遺構を大学の敷地内にそのまま引き継いだ門であり、歴史的なシンボルとして親しまれながらも、大学の主門としての位置づけとは区別されています。この違いを知っておくと、キャンパス巡りの解像度が一段と高まります。

【見学・アクセスガイド】本郷三丁目からの行き方と赤門閉鎖中の代替ルート

赤門をひと目見たい、あるいは歴史ある本郷キャンパスを見学したい方に向けて、最新のアクセスルートをまとめました。

最寄り駅は東京メトロ丸ノ内線・都営大江戸線の「本郷三丁目駅」です。駅から本郷通りを北へ徒歩約6分〜8分進むと、右手側に朱塗りの赤門が見えてきます。東京メトロ南北線の「東大前駅」や千代田線の「根津駅」からも徒歩圏内です。

赤門は現在くぐることができませんが、すぐ隣にある「赤門北通用門」や、少し先にある「正門」からキャンパス内へ入構可能です。東大本郷キャンパスは一部の制限区域を除き、一般の散策や見学が認められており、総合図書館前の広場や三四郎池、安田講堂の堂々たる景観などを自由に楽しむことができます。

【東大 赤門】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:赤門は現在、全く見ることができない状態ですか?
A1:いいえ、歩道側から外観を鑑賞することは可能です。扉が閉じられ、門の下を通行することはできませんが、記念撮影や朱塗りの外観見学は自由に行えます。

Q2:赤門が再開して再び通り抜けられるのはいつ頃ですか?
A2:重要文化財の修復工事には高度な伝統技術と時間を要するため、明確な通行再開時期は正式発表されていません。詳細な工期確定には文化庁との協議や調査の進展が前提となります。

Q3:一般人でも東大本郷キャンパスの中に入って観光できますか?
A3:はい、敷地内の散策は基本的に自由です。正門や農正門、弥生門などから入場でき、学内のレストランや購買部(生協)、歴史的建造物の外観見学が可能です。

200年近くにわたり激動の近現代を見守り続けてきた東大赤門。一時的な閉鎖は寂しさを感じさせるものの、かけがえのない文化遺産を次の100年、200年先へと安全に継承するための極めて前向きな保護プロセスです。

現在進められている保存修復の取り組みを経て、再び朱塗りの大扉が開かれ、多くの人々を迎え入れる日が訪れることが期待されます。訪れる際は、長い歴史が刻まれた木肌と厳かな佇まいに思いを馳せながら、今しか見られない貴重な姿を目に焼き付けてみてはいかがでしょうか。

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